「・・・ここ、は、」
まるで誰かに起こされるかのようにしてふと目が覚める。ここは、何処なんだろう。それに、何故私は眠ってしまっていたのだろうか。確か、私は、真実を知るために、答えを導き出すために、 考えて、考えて、 彼の、 シリウスの、ために・・・っ!!
そう、だ、 やっと、 答えが、 !
「っ、シリウス、っ!! え、?」
光を見いだした瞬間、それらが流れ込むようにして私の中へと思い起こさせる。そうだ、やっと、やっと彼の無実を証明するための、糸口が、光が見えたのだ!早く、早く、この場から立ち上がって、行動を起こさないと、 もう身も心もぼろぼろで、すり切れてしまっている彼を、早く助けないとっ、
「・・・あれ、 身体、が? (うご、かない、)」
けれど、腰を落としていたその場所から一刻も早く起き上がりたいと思うのに、何故か私の身体は、何かに縛り付けられているように動かす事ができなくなっていた。けれど、縛り付けられている時に感じる、あの息苦しさは全くなくて、むしろ、心地よい、温かな。
でも、以前感じていた、彼が包んでくれている時のようなそれらとは、また違うような・・・・・・あ、
「・・・ルーウェル、おじいちゃん、?」
そうだ、つい先程、真実を見つけようと考えていたあの場所に、おじいちゃんがふと急に現れたんだっけ。その、昔と変わらない、温かい大きな手で、私の頭を撫でてくれながら、漸く、本当にやっとの事で、たどり着いた、紡いだ、その真実を、急かすようにして手繰り寄せようとした私を、
「・・・来るべき時が目の前に訪れるまで、」
意識が薄れゆく前に、おじいちゃんは確かそう言葉を紡いできてくれた気がする。来るべき時が、目の前に・・・あれだけ、あんなにも彼を待たせてしまっているのに、まだ、私には来るべきというその時が訪れてくれないのだろうか。
一体、私には何が足りない?何をすれば、私に何があれば、彼を早く助ける事ができるの。 どれだけの間、彼を待たせれば、 彼が傷ついてしまうのを見過ごしにしていれば、
「( 彼が傷つくのを見過ごすなんて、 何もできないなんて、 もう、これ以上っ、 )」
今まで、どれだけ彼を傷つくのを見過ごさなければならなかったか、 どれだけ、自分の無力さを憎んだか。やっと道筋が、彼への光が、ようやく強くなり始めたというのに、何故それに向かって歩くことを許されないの?
彼の事を思うと、やはりこんな場でじっとしている訳にはいかなくて。動かす事のできない身体を、無理矢理動かそうと必死に捩ろうとする。けれど、まるで自分の身体じゃないように、全く私の意志に反応せず、その身体はその場に座り込んだまま、1ミリたりとも動かす事ができない。
「なん、でっ、 おねがいだから、動いてっ、 」
「 、」
「っ!!」
それでも、彼に早く近づきたい一心で身体を動かそうとあぐねていれば、この闇の中へと溶けるように、けれどはっきりとその声が、私の耳へと響いてきた。
「 おじい、ちゃん?」
「・・・大丈夫、お前はよくやっているよ。 ・・・やっているから、じゃ。」
「?、 おじいちゃん、どういうこと? 私、早く彼をっ、 」
「分かっておる。 大丈夫、落ち着きなさい。 お前ならシリウスを助けられるから。」
「両親に似て、お前は賢い子だからね。」 先程の夢のように、おじいちゃんの顔が、姿が見える事はなかったけれど、 私にそう言葉をかけてくれるおじいちゃんの手が、私の頭をふわりと撫でてくれた気がした。
でも、私はこの場所で座り込んでいる時間はないのだ。早くしないと、彼が本当に・・・けれど、おじいちゃんはそれを許してくれないらしい。身体は一向に動かせる気配がなく、依然として私は座り込んだままで。ここで、何かしなければならない事が、あるのだろうか?
「 さすが、だ。 そうじゃ、まだ、お前はここでやらなければならない事がある。」
「・・・やらないと、いけない事?」
「そう。 その目に、しっかりと彼らの行動を焼き付けなさい。自分がその時、何をやらなければならないのか。」
「そして、シリウスを助けるには、どの選択が、 どの糸を取るのが、正しいのか。」 おじいちゃんは、もう一度、私の頭をふわりと撫でてくれながら、そう言葉を放った。焼き付ける? それに、彼らの行動とは何だろうか? 私がその時、やらなければならない事?
「(・・・何が何だか、全く分からないし、見当すらも付かないけど、 )」
・・・でも、おじいちゃんはそれを私が問うた所で、答えてくれない気がしたし、それに私はもう既に答えを知っている気がしたのだ。私が、今、 やらなければならない事は、
彼を、 シリウスを助けるために、選ばなければならない、 正しい糸は、
「 それでこそ、 我が孫じゃよ。」
「大丈夫。お前なら、正しい道を選び取れる。」 そう私に言葉を紡いでくれた後、 姿を見せてくれなかったおじいちゃんは、けれど、どこかに消えてしまったように思えた。
それから、私の目の前に、大きな、目映い光が現れた。
「っ! (なんて強い光っ、 )」
あまりの眩しさに思わず目を細めてしまったけれど、 その光が少しだけ弱まって、徐々に私の目がその光に慣れてきてくれたから、ようやくその光の正体を確認しようと、ゆっくりと目を開ければ、そこに、 その光に映し出されていたのは、
「っ!! ・・・あそこは、 あっ、リーマスっ!? ハリー達もっ?」
そこに映し出されたのは、 私に、そして彼らにとって、ひどく懐かしいその部屋で、 そして、私たちの友人、リーマスの姿と、 ハリー達3人の姿、それからたぶん、いや、絶対、歯車を狂わせてしまった、その証拠も、
・・・そして、
「っ、 ! シ、リウスっ、 !!」
愛しい、愛しくて仕方がない、私の、 大好きな、