ハリー達にも、の事、そしてシリウスの事を説明した。ジェームズと同じで、ハリーは賢い子だ。他の人から聞いた事に流されたりもするが、最後には真実をしっかりと掴み取る、そんな力がある。それは、ハリーの友人であるロンにも、ハーマイオニーにも言えたことだ。彼らはまだ少し疑いながらも、とりあえずは僕の話を聞いてくれると返事をしてくれた。
「君と同じように、彼女も相当無理をしてきているんだ。」
途中、セブルスが入って来て、思わぬ時間を過ごして、そこにいるネズミが隙を窺って逃げやしないかと不安が過ぎらなかった訳ではなかったけれど、それでも僕は、シリウスにの、僕が知っているこの1年間の事を話した。他の誰かがシリウスに話さないと、は絶対自分が無理をしてきた事をシリウスに話す事はないから。
「と再会してから、・・・そうだね、目の前で彼女が倒れる所を、少なくとも2回は見た。」
「っ、!」
ボガートの授業の時にシリウスの姿を彼女が映し出させた事、がシリウスの姿を見かけた事、時間がないと過労で倒れた事、シリウスの為に彼女がやってきた、この1年間のすべての事をシリウスへと伝える。シリウスの事だ、の事を気にしながらも、きっとは自分の事を、なんて有り得ない事を考えているんだろう
「そういう所だけは、君と似てるよ、ほんと。 お互いを想い過ぎて、自分ばかりに無理をさせる。」
でも、そんな事があるはずない。がシリウスの事を見放すとか、そんなふざけた事が。もしかしたら、シリウスは違う事を考えているのかも知れないけれど、僕の顔を見るその目の色に浮かぶのは、心配のそれと、もう一つ見え隠れしているのは、たぶん当惑だ。
「・・・もそうだったけど、君は、もっと僕達に世話を焼かせるね。」
「・・・それ、は、 本当に、すまないと思っている。」
「違うよ、そういう事を言ってるんじゃない。」
「?? どういう事だ、リーマス?」
本当に申し訳なさそうに、謝ってくるシリウスに、僕はひらひらと両手を自分の身体の前で振った。今言っているのは、そういう、君が12年前に僕に知らせないまま秘密の守人を入れ替わった事でも、それから12年間、君をアズカバンから解放させるように色々調べた事でも、そんな事を言っているんじゃないよ。
12年もの間、が君を想っていたのだと、神経を、身体をボロボロにしてまで君を守ろうとしてきたのだと、そうは考えられないから、・・・自分のために、大切な自分の身体を投げ出して欲しくないと思っているから、 僕が話しているのこの一年間の行動に、君はそうやって当惑しているんだろう?
「まあ、そう思う気持ちは分からなくもないけどね、」
「リー、マス?」
・・・これは、僕の口から言う事じゃない。それに、たぶん、本人の口から聞かないと、シリウスはきっと信じないだろう。
が、君を見放すなんて、見限るなんて、そんな事 ― 「、彼女が、」
「・・・がそんな子じゃない事は、君が、一番よく知っているじゃないか。」
さあ、シリウス。すべての悪夢を終わらせよう。もう君は、君達はその夢から覚めるべきなんだ。いや、本当は、そんな悪夢すらも、あってはいけなかった。あるはずのないものだったんだ。悪夢なんてものから早く起きて、その暗闇に光を照らしてくれた、大きくしてくれた、彼女に、
「君にも、きっと、彼女が必死に紡いでいた糸が、見えているんだろう?」
君がその悪夢から覚めることを、誰よりも深く望んでいる、に、早く会いに行っておいで。