「・・・っ、マ、マクゴナガル先生っ!!」
「どうしました、Miss.グレンジャー?貴方がそんなに慌てるなんて。」
「がっ、が目を覚まさないんですっ!!」
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「ッ、」
が目を覚まさない、らしい。そんな突然言われても信じる事の出来ない知らせを、マクゴナガル先生が伝えてくれた。訳が分からなかった。倒れたじゃなくて、目を覚まさない?僕のいないところで、誰にも気付かれないところで、また彼女は無理をしてしまったのだろうか。イースター休暇は集めた情報を読み返すと言っていたけれど、それでまた寝ないで情報を読み返していた?けれどそれなら、マクゴナガル先生は"倒れた"と言うはず。"目を覚まさない"なんて言い方はおかしい。・・・、君は一体何を、
「(お願いだから、君はもうっ、)」
廊下をはやる思いで駆けながら、医務室へと急いだ。今、医務室にいるのはダンブルドア先生だけらしい。先生ならがそうなってしまった原因を突き止める事ができるかもしれない。目を覚まさないなんて、彼女に、 にそんな事が起こってしまっては。ようやく彼女はシリウスに手の届くところまで来たっていうのに、
「っ!!」
「リーマス、落ち着くのじゃ。」
なりふり構わず、彼女の名前を呼びながら勢いよく医務室のドアを開けた。そうすれば、ダンブルドア先生の声と共に、先生の背中が視界の隅に入ってきて、そのままの勢いでその場所へと足を進めた。そこのベッドには、ただ眠っているようにしか見えない、の姿があって。
「・・・?」
の姿をこの目で見て、ようやくマクゴナガル先生の言っていた事を理解した。寝不足などが原因で倒れてしまったとは考えられないほど、の顔色は至って正常だった。いや、その顔色も、学生時代から比べるとひどく変わってしまったのだけれど、それでも、この前過労で倒れてしまった時の顔色よりは、だいぶ健康的に見えた。
「ダンブルドア先生、は一体・・・?」
「うむ、わしも調べてみたんじゃが・・・どうやら、ルーウェルが何かを施しているように思えてならん。」
「 ルー、ウェル、・・・って、あの偉大な魔法使いで、の祖父に当たる?」
ルーウェル・。のおじいさんに当たるその人は、誰もが知っている魔法使いだ。ヴォルデモートが忌み嫌う、魔法使い。ダンブルドア先生と同じように、ヴォルデモートが恐れていたルーウェル氏は、僕たちが学生の頃に亡くなってしまったけれど、とても孫思いな優しい悪戯好きなおじいさんだった事は覚えている。に連れられて家に遊びに行った時だって、色々と面白い話を聞かせてもらったものだ。
「そうじゃ。は多分、ルーウェルに眠らされておるんじゃろう。」
「この魔法の感触は、誰にも真似できんからの。」 あのルーウェル氏がに害を及ぼす事をするはずがないと身をもって知っているダンブルドア先生の事だ、はただ本当に眠らされているだけだと判断したんだろう。ダンブルドア先生の言葉を聞いて、僕も漸く襲ってきた安堵感と共に息を深く吐いた。ルーウェル氏がの事をどれだけ大切に思っていたかは僕達も、 シリウスも十分知っているから。それに、目の前にいるが、一番の証拠だ。この学校で見てきたのどの顔色よりも、今のそれが一番良くなっているように見えた。
「・・・ダンブルドア先生、でもどうしてルーウェル氏はこんな事を?」
ベッドの側にあった椅子に腰を掛けてを見やりながら、先生へと訊ねた。これがルーウェル氏の魔法だとして、何故こんな時に、このタイミングで、を眠らせてしまったのだろう。それ程までに、の体力が限界だったのだろうか、・・・いや、何かもっと他の理由が?
「・・・それは、わしにも分からん。ルーウェルの事じゃ、の悲しむような事はせんとは思うが、」
「じゃが、こうしてルーウェルがを眠らせたには訳があるのは間違いないじゃろう。」 もう一歩で、ようやく彼女が心身共に削らせて紡いできた糸が彼に届く所で、ようやく彼女が彼の光を見失わない位置まできたという所で、眠らせてしまう理由?考えれば考えるほど、その理由から遠ざかっている気がしてならなかった。、君は、その理由を知って眠っているのかい?・・・君は、何故、
「いいかい、みんな。何をするにしても、物事を成功させるには、タイミングというものがある。もちろん、悪戯にも、な?」
彼女の手を握った時、ルーウェル氏が僕達に話してくれた、そんな言葉をふと思い出した。
「( 今は、そのタイミングではない・・・?)」