「そういえば、どこに行っていたの?」


「てっきり何か用事があったのかと思って帰ろうとしたところだったのに。」 紅茶を飲んでいたリーマスにそんな事を訊けば、彼はひとつ間をおいた後、ポケットの中からあるものを取り出してきて。それは、リーマスも含めて彼らが作って、正しい開け方を知っているものしか、開けることのできない、ずいぶんと見覚えのある不思議な羊皮紙であった。


「  君にもこれが何だか分かるだろう?」
「ふふ、ええ。側でいつも見ていたもの。貴方たちが楽しそうにそれを見ているのをね?」


その紙を持っているムーニーへと笑みを浮かべながら、そう言葉を返す。そうすれば、彼はバツが悪そうな、気恥ずかしそうなそれを顔に浮かべてこちらを見てくるものだから、思わず声を漏らして笑ってしまった。


「我、ここに誓う。我、よからぬ事を企む者なり。」 何度その言葉を聞いて、何度その不思議な紙で悪戯の計画を練っている彼らを見ただろうか。見た目はただの紙切れにしか見えないからといって、授業中にもそれを引っ張り出して綿密に計画を立てていた彼らの背中も見たことがあった事を思い出す。


「本当にやんちゃな友人だったわね?」
「  ああ、自覚はしているよ。」
「ふふ、ムーニーさんよりもやんちゃで、言っても聞かない友人が2人ほどいたけれどね?」
「ふふ、ああ、そうだね。」



「ほら、ジェームズにシリウス。いい加減にしないと、先生がこちらを見ているわよ。」
「はは、大丈夫だって!魔法をとけばただの紙切れになるんだから!」
「それに、この授業の予習はやってるんだから、当てられても答えられるしな。それよりも!今度の悪戯は盛大なものになるぞっ!なあ、ジェームズ!」
「ああ!!もきっと気に入ると思うよ!」
「ふふ、まったくもう。」



「僕も十分やんちゃだったと思うけど、彼らは僕よりも輪をかけてやんちゃだったからね。」


今はただの紙切れと化しているそれをテーブルに置いてそう言葉を紡ぎ出すリーマス。「僕も彼らに手を焼いた事はも知っているだろう?」 一緒の部屋で7年間も過ごしていたら、それはもう大変だっただろう事がすぐに想像できたし、リーマスのその苦労の色を顔に浮かばせている姿を学生時代に何度も見たことがあったから、それを思い出してしまって、つい笑みを零してしまった。


「笑い事じゃなかったんだよ、当時は。」
「ふふ、そうね。私に言ってきた時なんかずいぶんの疲労の色を見せていたものね。」
「最終手段は、君からの言葉だったからね。」


「ジェームズもシリウスも、最終的には君の言葉を聞くんだから。」なんて言葉をかけてくれながら、その紙を私に渡してくれる。それから、その紙を見てふとある事を思い出して。


「けど、何でこれを今リーマスが持っているの?これは確かハリーが持っていたはずなのだけれど。」
、これをハリーが持っていたのを知っていたのかい?」
「ええ、悪戯大好きなある双子からその話を聞いたのよ。」


私のそんな言葉に、ある二人がすぐに浮かんできたようで。「ああ、ジョージとフレッドがこれを持っていたのか。」なんて言葉を口に出しながら、それでもまだ腑に落ちないというような顔をしているリーマスに彼らがその不思議な紙切れをどこで入手したのかを伝えるために喉を震わせた。


「フィルチ先生が管理している場所から失敬してきたんですって。」
「・・・さながらジェームズとシリウスだね。」
「ふふ、そうね。彼らが知ったら喜ぶわよ。その不思議な紙をフィルチ先生から失敬した事や、その失敬した彼らが悪戯大好きな子だって事を。」


「一緒になって悪戯まで考えそうだよ。」なんて私の言葉に冗談なんかじゃ済まされなさそうなそれを返してくるリーマス。きっとそれを止める事なんてできないだろうし、彼らの楽しそうな笑みを見たらきっと、


「早く、シリウスにも知らせないとね、?」


早くその言葉を伝えるために、


「   ええ、もちろん。」



もう一度その愛しい笑みを隣で見るために、

Mysterious and wonderful parchment

それから貴方の隣で、貴方の名前を紡ぎ出すの。