「  っ!」
「    リーマス、」


彼が変わらず持っていてくれたそれを握りしめていれば、後ろから走って私に声を掛けてくれたのはリーマスだった。リーマスの方を振り返った時も未だに涙が溢れ出ていたのだろう、駆け寄ってきてくれたリーマスは私の顔を確認するとその手でそっと顔へと触れてきてくれた。


「シリウスなら、まだもうちょっと大丈夫だから。」
「   リーマス、」
「うん?」


リーマスに見せるようにと握りしめいていたそれをゆっくりと開いた。リーマスはこの指輪の事を知っていたから私がそれを見せた時、すぐに彼の持っていたものであると分かったのだろう、少しばかり驚いたような顔をした。けれどその顔はすぐに微笑みへと変わっていって。彼がそれを持っていた事に、リーマスも嬉しいと感じてくれたのだろうかと思ったのだけれど、


「君から貰った指輪を、シリウスが持たない訳がないだろう?」


「それはもう肌身離さず持っていたよ。」 笑みを浮かべているリーマスから出て来た言葉は私の考えていた事とは異なるものであって。


「   シリウスが、これを、ずっと?」
「ああ。君から貰ったその日から、チェーンに通してずっと持っていたよ。」


「顔を緩ませて見ていたのをジェームズとからかってたりしてね。チェーンも学生の時と変わらないから、きっと使いすぎて切れてしまったんだね。」 楽しそうにそう話してくれるリーマス。リーマスの笑みにつられるように笑みを零すのだけれど、それと同時に溢れてくるものが抑える事が出来なくて、 止まらなかった。



彼がそれをずっと付けていてくれたことが、私の事を想ってくれていたことが、


「   っ、(シリ、ウスっ)」


どうしようもなく、愛しく感じてしまって




「君がシリウスを想っているように、あいつだって同じくらい、君を想っているんだよ。」


私の瞳の中をのぞき込むように、そう言葉をかけてくれるリーマス。床へと落とさないようにそれを握りしめていた手に、そっと触れて私の上から握りしめてくれた。「だからね、


「切れてしまったチェーンも、シリウスとの道も、繋げばちゃんと1つになるから。」


「もちろん、焦り過ぎもいけない。チェーンだって焦っても早く繋がらないように、シリウスとの道も同じだよ。」 ゆっくりと、リーマスが言ってくれる言葉が、1つ、1つと私の中に響き渡って、


「   焦りすぎてまた無理をしてしまえば、」
?」



「   、」
「うん?どうしたの、シリウス?」
「・・・あまり、無茶をしないでくれ。」


「・・・俺の身が持たない。」 ぎゅうと抱きついて首元に顔を埋めながら、寝ている私よりも弱々しいのではないか思うほどの声で紡ぎ出した彼の言葉は、何とも嬉しく愛おしいそれであって。


「ふふ、善処するように頑張るわ。」
「・・・何だよ、善処って。俺は、が心配だから、っ!」
「分かってる、分かってるから。  ね、シリウス?」
「う、  ぜ、善処は必ずしろよ?」
「ええ、もちろん。」



「無理しすぎたら、シリウスに怒られてしまうものね?」


貴方の心配そうな顔を見るよりも、やっぱり私は笑み浮かんだその顔を見ていたいの。だから、無理はしすぎないようにするわ。でも、貴方と同じように、私にももう少し無理をすることを許してくれる?

To recover,To protect

貴方を助けるまで、少しだけ