ハリーに現実が伝わってしまった翌日、大広間にも壮大な装飾がなされていた。クリスマスだからか、生徒達も楽しそうにその装飾を見て楽しんだり、プレゼントについて会話をしたりしていた。そんな中、前日私の側にいてくれたリーマスはどうやらいつもの場所に行ってしまったようだった。昨日だって辛かったはずなのに、私の側にずっといてくれたのだ。また戻ってきた時に、お礼を言わなくといけないな。(ありがとう、リーマス)
「っ!!」
「 、ハリー。」
名前を呼ばれて振り返ると、ハリーがこちらへと駆けてくるのが目に入る。ハリーは全く悪くない、ハリーも現実を知らされてしまった1人なのだから。自分にそう言い聞かせても、それでもやはり声が震えてしまった。彼の大切な人に虚実が伝わってしまって、それの所為で彼が嫌われてしまうなんて、あってはならないはずなのに。
「僕にね、クリスマスプレゼントが届いたんだよ!来てっ!!」
ハリーに腕を掴まれて、談話室からハリー達の部屋へと案内される。自分にプレゼントが来た事が相当嬉しかったのだろう、笑顔を絶やさずにハリーはその事を教えてくれた。それにしても、ハリーにプレゼントを渡すなんて一体誰が贈ったのだろうか。リーマスはそれらしいことを話していなかったし、ダンブルドア先生が彼のために贈ったのかも知れない。私も何か、贈れば良かったかな、なんて思いながらハリー達の部屋に行くと、そこには立派な箒がおいてあった。
「これ、」
「ああ、あのファイアボルトだよ!ハリーはこれをもらったんだ!!」
「でも誰が贈ってくれたのか分からないんだ。」 なんて言いながらも、その箒へと嬉しそうに寄っていくハリー。箒のことはそれほど詳しくはないけれど、それでもその箒の名前は知っていた。こんな立派な箒をダンブルドア先生が? いや、違う。
「あれかな、ルーピンかな。」
いや、リーマスでもない。じゃあ、これは誰がハリーのために?彼の箒が折れてしまったのは学校内では周知の事で、あの場面を見た人はもちろん、見ていない人だってきっとこの事は耳にしているだろう。
あの場面を、 見た人?
「っ!!」
自分の言っていた事に衝撃が走った。あの場面を見た人は先生も生徒もいた・・・けれど、それ以外の人も、 彼も
「 、」
「 え?」
今、彼の呼ぶ声が確かにしたはずなのに、後ろを振り返ってもあるのは扉だけだった。ハリーの、箒は貴方が? そう聞きたいのに、 言葉に出来ないのは彼がここに、
「(ねえ、シリウス。これは、貴方がこの子に贈ったものなの?)」
私の近くでいつものように笑ってくれる、貴方がいないからで