ダンブルドア先生と話をした後、そのまま談話室へと戻ると、ジョージにフレッドが戻ってきていた。「お帰り、珍しく早いわね。」 そっと後ろへと歩き、そう声をかけると少し驚いた顔をしたけれど私だと分かった瞬間、笑顔で「ただいま、!」 と返してくれた。ハリーの姿がなかったからどこに行ったのか、彼らに尋ねるとホグズミードに行ったと返される。


「え?ハリーは保護者からサインをもらえなかったんじゃ・・・」
「僕たちが素晴らしいものをあげたからさ!」
「そうそう!それがあるだけで、簡単にホグズミードまで着けるんだ!」


わくわくしながら話をしてくれる2人。「それにしてもあの地図は本当に凄いよね!」 「うん、悪戯する時にすごく重宝してたからね!」 地図、そして悪戯、という言葉でそれが何かすぐに思い浮かんだ。一見何の変哲もない紙であるのに、合い言葉を言うだけでそれは優れた地図へと変化する。その言葉を何度彼らと一緒に言っただろうか。

我、ここに誓う。我、良からぬ事を企む者なり。

まさかこの2人に地図が渡っていたなんて。彼らが知ったら本当に嬉しがるだろう。自分たちとまるっきり同じ理由でそれを使っているのだから。そしてそれがハリーにも渡ったのだ。ハリーはこの2人、そして彼らと使用目的は少し違うけれど、それでも喜ぶだろう。


「あ、そうだ。、今日もお土産買ってきたんだよ。」
「さあ、、こっちにおいで!一緒に食べようじゃないか!」


昔の事を少し思い出していると、フレッドにジョージの声で呼び戻される。2人の前には私が好きなお菓子や茶葉があった。好みを覚えていてくれたことに自然と笑みが浮かぶ。誘われるまま2人の間に座ってお菓子を一口食べる。美味しいと伝えると2人も嬉しそうに笑ってくれる。昔もこんなことがあったな、なんて思い出す。


!」
「シリウス?お帰り、そんなに慌ててどうしたの?」
「あ、えっと、そのな・・・」
「ん? その手にあるのは?」
「あ、ああ。これをに食べてもらいたくって。」
「私にくれるの?」
「そのために、買ってきたんだ。」
「ふふ、ありがとう。早速、いただくわね。」
「・・・どうだ?」
「とっても美味しいわ。」
「っ!本当か?」


その時のシリウスの顔は本当に素敵な笑顔だった。少し照れながら買ってきてくれたそのクッキーは本当に私の好みの味であって、以前に好みの味をちらっと話したことを覚えてくれたことに自然と笑みが零れてしまった。「もう、驚いたよ。リーマスに連れられて嫌々ながらにハニーデュークスに入ったのに、これを見つけた途端先に帰るって言って凄い勢いで走って行っちゃったんだもん。」 その後、笑いながら帰ってきたジェームズ達にからかわれてさらに頬を染めたシリウスに思わず笑ってしまったのがずいぶん昔のように感じられる。



「お、ハリー達帰ってきたぞ!どうやら、上手く行ったみたいだ!」


しばらく2人と話していたらハリー達が帰ってきたことを、後ろを振り向いたジョージが知らせてくれる。ハリーを見ると、何だか憤っているように見えた。その横でハーマイオニー達が何もしない方が良い。 と忠告をしているのが聞こえる。嫌な予感が頭を過ぎる。


「ハリー、どうかしたのか?ひどい顔だぞ。」


フレッドがハリーの異変に気付き、ハリー達に尋ねる。ハリーは何も言わずに私達に近づいて、そっと私に抱きついてきた。「、どうしたの?ハリー。」 ただ事ではない様子だったから、そのままの格好でハリーに問うた。


「僕の父さんと母さんは・・・・」


その言葉に、顔を歪める。その言葉の後に来るのは現実なんだろう。悲痛な声を上げたいのは彼の方なのに、現実だけを知っている人達が吹聴してこうしてハリーにもそれが伝わってしまった。




「僕の両親は、    ブラックに殺されたんだ!!!」

The reality that has been known

心の中で、何かが壊れる音がした。