昼食を取り終えて、いくらか調子が戻ってくる。 午後には、いつも一緒にいた大好きな友人、
リーマスの授業があるからだ。彼が一体どんな授業をするのか、とても楽しみだった。
きっと教え方は誰よりも上手いのだろう。


、嬉しそうよ?」
「え、そうかな?」


隣にいたハーマイオニーが私の方を見てそう言った。 顔に出るなんて、と思いながらも久しぶりに友人に会えるのだ。 しかも生徒と先生だなんておかしな状態で、だ。それを思うと顔に出るのを抑えられない。


「でも、の笑顔初めて見たわ。もっと笑えばいいのに。」


の笑顔、素敵だわ。 と微笑んでこちらを見てくるハーマイオニー。ハリーの周りは良い友人だな、と思い自然と笑ってハーマイオニーにお礼を言うことができた。そういえば、久しぶりに笑ったのかも知れない。彼の事を考えるとどうしても顔が笑ってはくれない。  笑顔でいようとは思うのだけど。

それでも今は少しは笑えているのかも知れない。それにしても本当におかしな話だ、久しぶりに会うのに平凡な日常を過ごしているのならあり得ない状況で、こうして会うのだから何だかわくわくしてしまう。 ハリーやロンにまで、嬉しそうだね、と言われてしまい何だか気恥ずかしかったが、それでも顔には笑みが浮かんでしまうのだから仕方がない。




「やあ、」


少しすると、リーマスがやってきた。微笑む姿は昔と変わらず、安心させるような穏やかな笑みだった。 以前よりも元気そうなのはやはり時が過ぎたからだろう。あまり無理をしてないと良いけれど。


「今日は実地練習をしようと思うんだ。教科書をしまって僕についてきて。」


杖はいるけどね、と言って生徒を立たせて先頭に立って歩き出した。それにしても実地練習とは、さすがリーマスだ。防衛術は口頭で説明するよりも、実践でした方が良いに決まっている。 生徒がリーマスの後ろをついていく。 一番最後についていき、リーマスの後ろ姿を追う。


途中でポルターガイストのピーブズに会った。悪戯で、鍵穴に詰められていたガムを魔法を唱えてピーブズを撤退させた。生徒がそれからはリーマスを尊敬の眼差しで見ていることが分かる。

本人は何の気なしにやっているのだろうが、こういうところが生徒時代に生徒達に好意を寄せられた理由なのかも知れない。優しくて紳士的なリーマスが悪戯をしてシリウス達と負けず劣らず遊んでいるところを見ると、そのギャップに周りの生徒も黄色い声を出していたものだ。



「さあ着いたよ、入って。」


そう言って生徒を職員室へと入れる。すると、そこにはセブルスがいた。ネビルの事を悪く言っているようだけれど、リーマスはそんな事を気にせずにネビルに手伝ってもらう、と返事をする。そんなリーマスに何も言わず、セブルスは職員室から立ち去った。

立ち去る前に、私の顔を見た気がするのは気のせいではないのだろう。笑って会釈をしておいたが、まあそれで疑いが晴れるわけではないことは分かっている。セブルスにばれてしまうのは時間の問題なのかもしれない。


生徒を部屋の奥まで入るように促して、古びた洋箪笥の前に案内した。
その洋箪笥はリーマスが隣に立つと、揺れて急に壁から音を立てて離れた。


「この洋箪笥にはね、まね妖怪のボガートが入っているんだ。」



まね妖怪、ボガート。


その人が一番怖いと思うものに変化するそれ。





私はその名前を聞くと、ハリーの後ろに近づいて杖を持った。

Changeless kindness

何だか、悪い予感がしてならなかった。