ハリーと居る方が彼の情報を得やすいと思い、ハリーと同じ科目を選んだはいいけれど 「占い学」 は大の苦手だった。
どうも信用できないものがある。
浮かない気分でハリー達と一緒の塔の上を目指していると、前方にカトガン卿の姿が見えた。カトガン卿が私達の姿を見つけると、すーっと寄ってきた。
「これはまた、懐かしい顔ですな!」
「え? 僕たちここに来るのは初めてだけど?」
カトガン卿の言葉に疑問を持つロン。カトガン卿は私の方を見ると、私の言いたいことが分かったのだろう 「おっと、昔彼女に似た者がいたのでね。」 と言って誤魔化してくれた。 私達に行き方を教えてくれてハリー達は急いで上がる。 私は立ち止まってカトガン卿の方を向いた。
「ありがとう、カトガン卿。」
「いや、構わん。お主らには楽しませてもらったからな。」
ハリー達が 「!行くよー!」 と言ったのでカトガン卿に手を振ってお別れをする。
この人のおかげで少し憂鬱な気分がまぎれた。
時間ギリギリに教室に着いてそれぞれの席に座る。するとどこからとも無く先生が現れた。
こういうのは聞いた方の負けだと思い、私は他の教科書を足の上に置いて読むことにする。
けれど、いくら集中したって人を悪く言う言葉は聞こえてくる。それが友達のことならなおさらだ。
話を聞いているとハリーの茶葉の形がグリムだったらしい。
グリムは 「死の予告」 と言う意味を持つ。
ハーマイオニーが先生に楯突いている。彼女がこんな事をするとは思わなかったが、ハリーを思ってのことだろう。そう思うと、自然と笑みがこぼれた。他の子達がグリムに見えるや他のにも見えると言い合っているとハリーが大きな声を出した。
「僕が死ぬか、死なないか、さっさと決めればいいだろう!!」
目立たないように黙っておこうと思っていたけれど、私もこれには黙っていられなかった。
「ハリー、死ぬなんて思っていなくても口にしては駄目。」
「?」
私が座っている席の方を皆が一斉に見る。トレローニー先生もこちらをじっと見ている。
そんなことを気にせず私は話し続ける。 今思うと、少し言い過ぎたのかも知れないけれど。
「運命ってね、何本にも分かれているの。それは誰だって分かるでしょう?」
最初から一本だったなんてあり得ないの。
結果1本になっても、過程には何本もあったはずよ。
万物に必ず訪れる運命は 「生」 と 「死」 これは運命の何処を通っても避けられないもの。
それが最初から 何時かなんて分かる人なんていないわ。
運命なんてその人の、その時の、気持ち次第なのよ。それによって運命が変わる。
そして各人は他人には持つことの出来ない自我を持っている。
自我というのは強くもあるけれど、脆くもある。
恐怖を突き出されればその自我は揺れて、安心材料を出されても良い意味で揺れ始める。
だから、人というのは他人の予言に耳を傾けるの。心構えをすれば案外大丈夫かも知れないという淡い期待を抱いて。気付かないうちにその恐怖へ向かって歩き始めているのよ。
「こんなこと占い学で言わない方が良いのかも知れないけれど」
「予言を知って恐れるから、その日に起こってしまうのよ。 そうでしょう?」
だから私は自分で歩んで道を決めるの。
何処の道を選んだってシリウスを助ける自信がある。