Dear.父さん、母さん

こんにちは、そっちで元気に暮らしていますか?
俺は元気と言われれば元気ですが、多少、面白味がありません。
平和であればそれで良いじゃない、なんて母さんは言いそうですね。俺もそれが一番だとは思いますが何ら昨日と変わらない日々を過ごしていると、それにも飽きが生じてくるものです。 父さん母さんはこうした日にはどう過ごしていたのでしょうか。さて、そろそろ時間も時間なので明日は今日と違う日であるように願いながら寝たいと思います。母さん、父さん、おやすみなさい。

母さんと父さんの幸せを願って。   Sincerely yours,
「なぁー、ナミー。島はまだかあ?」
「まだよ。ていうか、アラバスタを発ってまだ間もないでしょ。」



何度とも分からない会話を交わして、青く光っている海を見る。こうして海を見るのも良いのだが、やはり新天地というものは好奇心をかき立てる。ルフィは次がどんな島なのか数日前に発ったばかりであるのにそのことで頭をいっぱいにしていた。ウソップ、チョッパーを仲間に引き込んで3人で次の島の議論を交わしている。そんな彼らの様子を見ながら、ナミは針路の確認を、ロビンは椅子に座って読書を、ゾロは昼寝を、サンジはナミやロビンのために料理を、皆がそれぞれ平穏な時間を過ごしていたそんなある日、事は起こった。




「っ!?何、この感じはっ!!」
「ん?どうした、ナミ?」


天気は快晴、航海するのに丁度良い風向きで適度な風が吹いていた。そんな穏やかな空気だったのだが、それはナミの一声より以前から徐々に姿を現し始めていた。ナミのただ事ではない雰囲気に尋ねたウソップ以外も顔を上げ始めたそんな最中、黒い雲が瞬く間に空を覆い暴風が吹き荒れる。穏やかに過ごしていた彼らも、慌ただしく動き始めた。


「おい、ナミ!これ何だ!?」
「分からないわっ!こんな天気の変わりようなら、感知できるはずなのにっ!!」


大きく揺れる船の上で、針路の方向だけは失わないようにとナミがログポースに目を向けた瞬間、それは壊れたかのようにぐるぐると回り出した。


「はああァ!?何でこんな時にこれが壊れるのよ?!」
「どうしたんだ!ナミ!!」
「ログポースが壊れたのよっ!!」


「針が回ってるだけで決まった方向を指さなくなったの!!」 そう返ってくるナミの声。訳の分からない返答に数分かかってようやく理解した仲間達は、  ただ、叫ぶことしかできなかった。



「「「ウソだろーッ!!!?」」」

01. きっと雲は知っていた


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title by 鴉の鉤爪 / きっと雲は知っていた(散文じみた100のお題)