茹だる夏への対処法をテーマに。
「・・・暑い。」
「ちょっとシリウス、その言葉を言わないでくれないかな?」
「ただでさえ暑いっていうのに、さらに暑くなるだろ。」 なんて言いながら、机の上にだらんと上半身を転がせて暑さにやれているシリウスにそんな言葉をかけるジェームズ。そんな彼もやはり暑いのだろう、首筋には雫が伝っているのが見えた。
「ふふ、見事に暑さにやられているね、俺の後輩達は。」
「っ、先輩!?」
後ろからそう声をかければ、びくんと勢いよく上半身を起こしてこちらを見てくるシリウス。しかし隣に腰をかけていたジェームズは俺の気配を既に感じていたのか、驚きを見せることなく「先輩、シリウスをどうにかしてよ。」なんてまた彼らしい第一声を放った。
「さっきから、暑いばっかり。それ以外の単語を知らないのかってくらい連呼するんだ。犬って暑さにそんなに弱かったっけ?」
「そんなこと言ったって、仕方ないだろ!暑いもんは暑いんだ!つうか俺は犬になれるが犬じゃねえ!」
そんなシリウスの声を彼に流して以前俺が貸した本を読み続けるジェームズ。シリウスで遊んでいるのか、暑さから来る鬱憤を彼で晴らしているだけなのかは分からなかったが、2人共が暑さにやられている事だけはしっかりと見て取れた。そんな彼らに見かねた俺は、先程大広間へと行って冷えた飲み物を持ってきていたのだけれど
「そんな君達に、これをあげるよ。」
「お、冷たい飲み物!!」
「さすが先輩、気が利くね。有り難く貰います。」
それらを出した瞬間、今までのだらけさは何だったのかというくらいに瞬時に手を動かす彼ら。全く現金な後輩だな、なんて思いながらも至極嬉しそうに飲む姿を見せられてはもってきたこちらも笑みを浮かべてしまうわけで。
「あー、生き返った!」
「うん、やっぱり冷たいものはこの時期には必需品だね。」
2人とも一気にそれを飲み干してしまったようで、コップに残っているのは溶けて小さくなってしまった氷だけだった。生気を取り戻したかのような彼らの笑顔に視線を向けていれば、一気に飲んでいたせいか、シリウスの口の端に雫が残っているのが目に入って
「シリウス、もう少し落ち着いて飲め。」
「ん?落ち着いてって、なに、っ!!?」
顔を近づけながらそんな言葉をかけて、シリウスからの返事を聞き終わる前に俺の唇は彼の唇を急襲していた。(正確には、唇の端だけれど。)
01. 何か冷たいものでも? / 男主
02. 音を紡いで
「 愛してる、んだ。」
私とシリウス以外いない(はずの)談話室。彼が買ってきてくれた茶葉で紅茶を淹れてそれを片手に本を読んでいれば、急に隣から聞こえてきたのはそんな言葉であって。それと同時に彼が横から手を伸ばしてきたものだから、彼の体温が直に伝わってくる体勢になって。
「急にどうしたの、シリウス?」
本から目を離して彼へと視線を移せば、先程と変わらない彼の顔が近くにあって。何か嫌な事でも思い出したのかと思ったのだけれどどうやら違ったらしく、彼の顔に浮かんでいるのはむしろ嬉しそうなその笑みであって。
「いや 何か、何となく言いたくなって、」
「ふふ、おかしな事が起こるものね。」
肩へと顔を寄せてきながら私の言葉にそう曖昧に返事をしてくる。そんな彼の頭を優しく撫でながら笑みを浮かべてそう返せば、「ああ、そうだな。」 なんて嬉しそうな声で囁いてきてくれて。
「 愛してるわ、シリウス。」
彼へと響くように、それでも出来るだけ小さな声で彼に呟くようにそう言葉を漏らせば、「なっ、」なんて驚いたような声を出して更に私の肩に顔を埋めようとするものだから、視線を再度本から彼に戻せば、少しだけ紅く染まった彼の頬が私の視界に入ってきて、
「 急に、そんな事を、」
「ふふ、何となく、ね?」
先程と同じ言葉を繰り返し紡げば、彼はその赤らんだ頬のまま珍しく顔を上げてきてくれて。けれどそれ以上に愛しく感じてしまったのは、彼の顔に愛しいその幸せそうな笑みが浮かんでいたからであって。
「 俺も、 」
一言だけそう紡いで、彼は私の唇へと自分のそれを優しく重ねて来て。それからまた嬉しそうな顔をして、私の名前を口にしながら私を抱きしめてくれるのだ。ジェームズ達がこっそり見ている事、彼は気付いているのかしら?)
私とシリウス以外いない(はずの)談話室。彼が買ってきてくれた茶葉で紅茶を淹れてそれを片手に本を読んでいれば、急に隣から聞こえてきたのはそんな言葉であって。それと同時に彼が横から手を伸ばしてきたものだから、彼の体温が直に伝わってくる体勢になって。
「急にどうしたの、シリウス?」
本から目を離して彼へと視線を移せば、先程と変わらない彼の顔が近くにあって。何か嫌な事でも思い出したのかと思ったのだけれどどうやら違ったらしく、彼の顔に浮かんでいるのはむしろ嬉しそうなその笑みであって。
「いや 何か、何となく言いたくなって、」
「ふふ、おかしな事が起こるものね。」
肩へと顔を寄せてきながら私の言葉にそう曖昧に返事をしてくる。そんな彼の頭を優しく撫でながら笑みを浮かべてそう返せば、「ああ、そうだな。」 なんて嬉しそうな声で囁いてきてくれて。
「 愛してるわ、シリウス。」
彼へと響くように、それでも出来るだけ小さな声で彼に呟くようにそう言葉を漏らせば、「なっ、」なんて驚いたような声を出して更に私の肩に顔を埋めようとするものだから、視線を再度本から彼に戻せば、少しだけ紅く染まった彼の頬が私の視界に入ってきて、
「 急に、そんな事を、」
「ふふ、何となく、ね?」
先程と同じ言葉を繰り返し紡げば、彼はその赤らんだ頬のまま珍しく顔を上げてきてくれて。けれどそれ以上に愛しく感じてしまったのは、彼の顔に愛しいその幸せそうな笑みが浮かんでいたからであって。
「 俺も、 」
一言だけそう紡いで、彼は私の唇へと自分のそれを優しく重ねて来て。それからまた嬉しそうな顔をして、私の名前を口にしながら私を抱きしめてくれるのだ。ジェームズ達がこっそり見ている事、彼は気付いているのかしら?)
title by WILD ROAD / 音を紡いで(唇で5題 )
03. 退屈の中から生まれたそれは、 / 男主
「続くようで続きを書く気がない連載風味」をテーマにつらつらと。
俺の周りには純血主義の奴等ばかりで、そんな訳の分からねえもんに凝り固まっている奴等が大嫌いだった。ホグワーツに入学して俺がグリフィンドールへと所属するまで、俺はその窮屈な中でずっと耐える日々が続いた。だけど、そんな窮屈の中で、唯一、 俺に、 俺のそんな周りからしたら狂っているらしい、そんな俺の考えに、
「やあ、シリウス。 また、君の所へ来てしまったよ。」
俺よりも3歳くらい年上のその人。何かの退屈なパーティーの時に俺は参加するだけして、いつも通り周りのブラックの息子は少し変わっているとか何とか言っている奴等からすぐに離れて、窓辺で1人、風景を見ていたそんな時に、初めて声を掛けられて、
「うん?どうしたんだい、シリウス?」
「 いや、初めてあんたと会った時の事を、ふと思い出しただけだ。」
「ん?・・・ああ、あの時か。はは、あの時の君の顔と言ったら、」
「し、仕方ないだろ。まさか俺に話しかけてくる奴がいるなんて思ってなかったし、それに・・・」
「 ん?」
まさかあんな退屈すぎるパーティーで、俺と同じ考えを持っている奴がいるなんて、もちろん俺は思っているわけがなかった。しかも相手は俺と同じで純血主義の血筋で、さらに言えば結構有名な資産家の息子で、純血主義の両親に似て容姿端麗で、冷徹かつ両親に忠実な後継者だとか言われていた、そんな人が俺に話しかけているなんて、
「それにしても、シリウスが俺の事を知っているとは驚いたよ。君は、そういう話を聞いても興味を引かれないと思っていたから。」
「ああ、興味はなかったけど、何回も聞かされてたからな。お前を見習ったらどうだって。」
「ふふ、そうだったのか。」
だから、俺も驚いたんだ。そんな、純血主義だと思っていた奴が、俺と同じでその凝りに凝った考えが大嫌いだと思っていたなんて、
「君は、少し変わっているそうだね。」
「・・・だったら何だよ、」
「はは、そんなに噛み付かなくても。ただ、話してみたかっただけさ。」
「・・・」
「俺と同じで、純血主義を嫌う、 シリウス・ブラックという少年とね?」
俺と同じで、純血主義を嫌う、 この人に、いつの間にか惹かれていっていたなんて、
俺の周りには純血主義の奴等ばかりで、そんな訳の分からねえもんに凝り固まっている奴等が大嫌いだった。ホグワーツに入学して俺がグリフィンドールへと所属するまで、俺はその窮屈な中でずっと耐える日々が続いた。だけど、そんな窮屈の中で、唯一、 俺に、 俺のそんな周りからしたら狂っているらしい、そんな俺の考えに、
「やあ、シリウス。 また、君の所へ来てしまったよ。」
俺よりも3歳くらい年上のその人。何かの退屈なパーティーの時に俺は参加するだけして、いつも通り周りのブラックの息子は少し変わっているとか何とか言っている奴等からすぐに離れて、窓辺で1人、風景を見ていたそんな時に、初めて声を掛けられて、
「うん?どうしたんだい、シリウス?」
「 いや、初めてあんたと会った時の事を、ふと思い出しただけだ。」
「ん?・・・ああ、あの時か。はは、あの時の君の顔と言ったら、」
「し、仕方ないだろ。まさか俺に話しかけてくる奴がいるなんて思ってなかったし、それに・・・」
「 ん?」
まさかあんな退屈すぎるパーティーで、俺と同じ考えを持っている奴がいるなんて、もちろん俺は思っているわけがなかった。しかも相手は俺と同じで純血主義の血筋で、さらに言えば結構有名な資産家の息子で、純血主義の両親に似て容姿端麗で、冷徹かつ両親に忠実な後継者だとか言われていた、そんな人が俺に話しかけているなんて、
「それにしても、シリウスが俺の事を知っているとは驚いたよ。君は、そういう話を聞いても興味を引かれないと思っていたから。」
「ああ、興味はなかったけど、何回も聞かされてたからな。お前を見習ったらどうだって。」
「ふふ、そうだったのか。」
だから、俺も驚いたんだ。そんな、純血主義だと思っていた奴が、俺と同じでその凝りに凝った考えが大嫌いだと思っていたなんて、
「君は、少し変わっているそうだね。」
「・・・だったら何だよ、」
「はは、そんなに噛み付かなくても。ただ、話してみたかっただけさ。」
「・・・」
「俺と同じで、純血主義を嫌う、 シリウス・ブラックという少年とね?」
俺と同じで、純血主義を嫌う、 この人に、いつの間にか惹かれていっていたなんて、
04. 寝癖のきみを見られる幸せ
「・・・なんか、」
「ん?」
「なんか、良いよなあ、こういうの。」
「??どうしたの、シリウス?」
ゆるりと寝癖のついた頭を梳かしていると、後ろからそんな彼の言葉が聞こえてきて。けれど、何の脈絡もなく紡がれたそれに私は理解が至らず、疑問符を頭に浮かべる事しかできなくて。そんな私の意図が伝わったのか、彼は嬉しそうな笑みを浮かべながら梳かしていたその髪へと触れてきて。
「一緒に暮らしてると、こんな所も見られるんだと思ってな。」
「ふふ、こんな所を見たって面白くも何ともないと思うけど?」
「そんな事ないぜ?」
「俺は今、すげえ幸せ。」 肩に顔を埋めながら、本当に心底幸せそうなその声でそんな言葉を紡ぐものだから、私まで彼のそれが伝わってきてしまったのか、次第に顔が緩んでくるのを抑えきれなくなって。
「ふふ、私も幸せよ?」
「っ、本当か?」
「ええ、本当。貴方の気持ちよさそうな寝顔があまりに愛おしくてね?」
「なっ!!」
1度目の私のその声に、勢いよく顔を上げて嬉しそうなその顔を鏡越しに見せてくれたシリウス。けれど2度目に聞こえてきた私の言葉に、鏡に映った彼の顔は次第に赤みが差していって。
「また、そういうことをっ、」
「あら、私は幸せだったけど?貴方のあんな顔が見られて。」
「・・・幸せ、だったのか?」
「ええ、もちろん。」
「・・・なら、構わねえ、けど。」
私のそんな言葉に、少し不服そうながらも私の意見を尊重してくれる彼に、思わずまた笑みを零してしまって。溢れ出てきたその感情に、私は変わらず抱きしめてくれる彼の腕の中で、くるりと身体を反転させて、彼の背中へと腕を回して、
「 こうしている今も、幸せよ?」
「っ、」
そう言って、視線を合わせて笑みを浮かべれば、シリウスのその表情が愛しいその笑みへと変わっていって、
「 俺も、幸せだ。」
そう言って、降ってくるその唇を朝の挨拶代わりに、再度視線を合わせて微笑み会った。
「ん?」
「なんか、良いよなあ、こういうの。」
「??どうしたの、シリウス?」
ゆるりと寝癖のついた頭を梳かしていると、後ろからそんな彼の言葉が聞こえてきて。けれど、何の脈絡もなく紡がれたそれに私は理解が至らず、疑問符を頭に浮かべる事しかできなくて。そんな私の意図が伝わったのか、彼は嬉しそうな笑みを浮かべながら梳かしていたその髪へと触れてきて。
「一緒に暮らしてると、こんな所も見られるんだと思ってな。」
「ふふ、こんな所を見たって面白くも何ともないと思うけど?」
「そんな事ないぜ?」
「俺は今、すげえ幸せ。」 肩に顔を埋めながら、本当に心底幸せそうなその声でそんな言葉を紡ぐものだから、私まで彼のそれが伝わってきてしまったのか、次第に顔が緩んでくるのを抑えきれなくなって。
「ふふ、私も幸せよ?」
「っ、本当か?」
「ええ、本当。貴方の気持ちよさそうな寝顔があまりに愛おしくてね?」
「なっ!!」
1度目の私のその声に、勢いよく顔を上げて嬉しそうなその顔を鏡越しに見せてくれたシリウス。けれど2度目に聞こえてきた私の言葉に、鏡に映った彼の顔は次第に赤みが差していって。
「また、そういうことをっ、」
「あら、私は幸せだったけど?貴方のあんな顔が見られて。」
「・・・幸せ、だったのか?」
「ええ、もちろん。」
「・・・なら、構わねえ、けど。」
私のそんな言葉に、少し不服そうながらも私の意見を尊重してくれる彼に、思わずまた笑みを零してしまって。溢れ出てきたその感情に、私は変わらず抱きしめてくれる彼の腕の中で、くるりと身体を反転させて、彼の背中へと腕を回して、
「 こうしている今も、幸せよ?」
「っ、」
そう言って、視線を合わせて笑みを浮かべれば、シリウスのその表情が愛しいその笑みへと変わっていって、
「 俺も、幸せだ。」
そう言って、降ってくるその唇を朝の挨拶代わりに、再度視線を合わせて微笑み会った。
title by WILD ROAD / 寝癖のきみを見られる幸せ(朝の風景で5題)