っ!やっくん、お願い事があるのですー!!」
「うん?何、八雲?」
「ぼくー、が作ったバースデーケーキが食べたいっ!」



今日、5月3日は八雲の誕生日。本来は休日になるのだけれど、彼らはこの日だけどうやら補習があるらしく、天十郎、千聖、アラタそして八雲は珍しく全員出席で学校へと登校していた。彼らがきちんとこうして出ているのにはそれなりの理由があるわけで。


「じゃあ、3日の補習にちゃんと出て、ちゃんと勉強してきたら作ってあげる。」
「ほんと?ほんと?」
「ええ、もちろん。たくさん作るから頑張って勉強しましょう?」


真奈美さんを助けるべくこうして条件を出すと、八雲は嬉しそうに頷いてくれる。それから、芋づる式に天十郎達にもその方法をとって彼ら全員を学校へ向かわせる事に成功。後は真奈美さん次第だけど、寝ていたら食べさせないと言っておいたので多分大丈夫だろう。



「うん、丁度良い時間ね。」


彼らが補習を受けている間、とりあえずその補習には呼ばれなかった私は彼らよりも少し早くアホサイユへと行くことができた。ケーキの入った箱をテーブルに置いてそろそろここへ来るだろう彼らを待つことにする。寝ていないと良いけれど、なんて思いながら持ってきていた本を開いて読もうとしたそんな矢先、アホサイユのドアが大きな音を立てて開いた。


「だあーっ!つっかれたー!!」
「耳元で大きな声を出すな、天。」


そう言いながら最初に入ってきたのは天十郎と千聖。奥からはアラタと八雲が疲れ切った様子で足取り重くアホサイユへと入ってくる。彼らの様子を見る限り、どうやら授業はちゃんとまじめに受けたらしい事が窺える。そのまま本を閉じて「おかえり、頑張ったみたいね?」なんて声をかけると、それと同時に体に衝撃が走った。


「っ、   八雲?」
っ。ぼくね、ちゃんとお勉強してきたよー!!」


どうやら先程の衝撃は八雲が抱きついてきた時のようで、「えらい、えらい?」 なんて見上げて聞いてくる彼の頭を撫でながら、「ええ、凄いわ。」と言葉をかければ、八雲は嬉しそうに笑ってくれる。


、その箱ん中は何が入ってんだ?」
「八雲の誕生日ケーキよ。3ホール作ってきたけど、足りる?」


天十郎の質問にそう答えながら箱を開いて中身を出していく。3ホール作ってきたのはおそらくその大半が八雲の胃の中へと消えるだろうと思っていたからだ。案の定、彼は私がケーキを出した瞬間、それにかぶりついていった。


「わあーい!いただきまーす!!」
「ふふ、どうぞ?」


一口食べては美味しいと言ってくれる八雲に嬉しさを感じながら、天十郎達の方にも切り分けてそれを置いていく。彼らも笑みを浮かべて食べてくれているから、上手く作れていたようで安堵する。美味しそうに食べてくれる彼らを微笑みながら見ていると、隣に座っていた八雲が私の名前を呼んだ。


「ねえ、?」
「うん?どうしたの?」
「ぼく、もう1つ誕生日に欲しいものがあるの。」
「何かしら?」


彼の頬に付いているクリームを取りながらその要望を聞こうと訊ねると、彼はさっと私の方に近づいてきて自分の指を私の唇に乗せて笑みを浮かべた。

5月3日のお誕生日。

ぼくは、ここも欲しいのですーっ!!    ちょ、やっくん!それは反則でしょっ!?   (ガシャンっ!)な、何言ってんだよ、八雲!!そこは俺様がもらう事になってんでぃ!   それも違うぞ、天。の唇は俺が・・・   今日はぼくの誕生日なんだから、はぼくがもらうのー!!   だからそれとこれとは話が違うって言ってるでしょ、やっくん!!   ・・・(いつになったら終わるのかしら。)