「・・・・天十郎でぃ。」
「名前はお嫁さんに言ってもらいなさい。」
俺様が教室で補習は嫌だっつったから、アホサイユでやることになった。今日は俺達の担任が来られねえだか何とかで、が俺様の補習を見る事になったんだ。けど、こいつはさっきっからアラタや八雲の話ばっか聞いてて、俺様のことは二の次みたいにしてやがる。
「多智花君も頑張っているわね。きっと真奈美先生も喜ぶわよ?」
「えへへー、えらい?えらい?」
「ええ、偉いわ。」
「オレのことも褒めてくれない?オレも毎日、お花ちゃん達に欠かさず愛の手を差し伸べているんだけどね?モチロン、センセイにもだ、け、ど?」
「あー、はいはい。偉いわよー、嶺君も。」
「んもう、手厳しいんだから。」
俺様の補習でアホサイユに来てるくせにそうやって楽しそうに話すの声。それだけでだって、何かわけ分かんねえけどイライラするってのに、その楽しそうな声は俺様に向けられたものじゃねえってのが、もっと俺様の機嫌を悪くさせる。何で、俺様じゃなくて・・・
「それでねえ、せんせー?」
「ちょっと待ってね、多智花君。 成宮君、ここはね、」
「 おう。」
俺様の手がこうやって動かないでいると、はそれに気付いて俺様の方を見てくれる。他の2人じゃなくって、俺様だけを。そう思うと、俺の心は何か落ち着いて、温かくなって。けど、その顔を俺様だけじゃなくって、こいつらにも、真壁とかにも見せてやがんだと思うと、俺の心はまた急に苦しくなって、むかむかしてきやがって。そんなことを考えてると、目の前にある問題なんかまったく頭に入って来なくなっちまって、けど問題を解かねえとに怒られるし・・・(こいつに嫌われる事だけは、したくねえと思ってる俺様がいる。)
「せんせ、せんせー?僕の話も聞いてー?」
「ん?何かしら?」
「ンフッ、オレの話も聞いてくれる?」
またアラタと八雲にをとられる。(・・・なんだ、とられるって。) しかもこいつらときたら、が断らねえのを良いことに腕に手を絡ませたりなんか、してやがる。口にしただけでも何かむかつくってのに、目の前でんなことされてんのを見てると頭ん中がごちゃごちゃになって、気付いた時には俺様はの腕を取って立ち上がってアホサイユを後にしていた。