「 ほら、。肩なんかで寝たら、後で首が痛くなるぞ。」
「 ん、」
たぶん、聞こえていないんだろうその言葉を囁きながら、彼女の頭を肩から膝へと移動させる。この前、今日のように肩に寄りかかって寝て、首が痛いと困ったように彼女が声を漏らしていたのを思い出して、思わず苦笑しながらその首へと手を伸ばしてゆるりと撫でた。そうすれば、はまるで猫のように気持ちよさそうに俺の手へと顔を擦り寄せてきて、
「( 赤い、な)」
温かみを求めるかのようにの顔が移動したからか、彼女の綺麗な肌色をしているその首筋に合わせていた俺の焦点が、の赤みのある唇へと同時に移って、少しだけ笑みを浮かべているそれがひどく映えて見えた。
「( 今やったら、不機嫌そうに起きてしまうか?)」
吸い寄せられるように、首筋へと触れていたその手とは逆の指をの唇へとすっと這わせた。柔らかいそれに、つい自分の手ではなくて唇を寄せそうになる。・・・起きている時なら、困ったようにでもどこか楽しそうな笑みを浮かべて、俺のそれを受け入れてくれるだろうが、今はどうだろう。一度、昼寝に入ってしまった彼女は中々起きないから寄せた事にすら気付かないかも知れないし、少し不機嫌そうな顔をして目を開いてしまうかも知れない。
「 だが、誘ってくるお前も悪いぞ?」
なんて責任の一端が彼女にあるかのような言い方での耳元でそんな事を囁く。そうすれば先程よりも距離がずっと近くなって、そのまま見やれば、ますます俺を誘っているようにしか見えなくなってしまって、
「 、」
我慢、なんて言葉は既に俺の脳内からどこかへ行ってしまったらしい。良く考えれば、がこれで起きなかったらそれはそれで良いし(の寝顔は、愛おしくて仕方がないしな。)、起きたら起きたで正直に話してしまえば良いという事に気付いてしまった俺。たぶん、としか言えないが、はきっと苦笑しながらも許してくれるような気がしてしまったのだから、(ふふ、俺も、もっと精進しないといけないな。)(が甘やかすからだぞ?)