「(・・・いつまで眠る気なんだよ、)」
おれの定位置であるソファを陣取って気持ちよさそうに眠るせんせい。寝転がっている訳でもなく、座ったままで寝てるから隣におれが座れている状態なんだけど、よほど眠かったのか、多少その格好のままで船を漕いでいても全く起きない。こんな所理事長に見られたら職務怠慢だ何だと言われても仕方がないだろ、なんて思いつつ、けれど俺の脳内ではそんなに疲れるまでA4のあいつらの相手をしていたのかという方に考えが流れていて、
「(程々にしろってあれだけ言ってやったのに、)」
特別講師と来ているせんせいには、当然、本来の自分の仕事があってどちらかと言わなくても本業の方が忙しい。この前家に行った時もしていたけど、本当に寝てるのかというくらいに仕事ばかりやってたし。おれの忠告を聞かなかったあげく、しかもA4の相手をしていた事に、だんだんむかついてきて、少し悪戯でもしてやろうかと、せんせいの方へと顔を向けた、そんな時、
「 う、(わ、 )」
いきなり、せんせいの身体がおれの方へと傾いたかと思えば、それを止める時間すらなく、船を漕いでいた先生の頭がおれの足へと着地を決めてしまった。思わず少しだけ声を出してしまいながらも何とか後半は抑えて、許可無くおれの足へと降り立ったせんせいを見て、もうそろそろ起こしても良いだろうと身体を揺すろうとするんだけど、
「(・・・気持ちの良い顔で寝やがって、)」
おれの足の上で、ゆるりと頬を緩ませて気持ちよさそうに眠るせんせいの顔が視界に入り込んできてしまって。そんな顔を見てしまえば、もう少しだけ、こうさせておいても良いか、なんて考えがおれの中に浮かんできてしまったものだから(・・・このやろう、)
「 このお礼はたっぷりもらうからね、 せんせい?」
ゆるゆるとせんせいの髪へと指を絡ませながら、おれは笑みを浮かべて、聞こえていないだろうせんせいへとそんな言葉を放ったのだ。(早く起きろよ、それから早くその目でおれを見ろ。)