「(・・・眠い、)」
太陽がそこら中を照らしているそんな今日も、那智に連れ出されて生徒会室へとやってきた私。生徒会役員でもないから、そこへ来て手伝うわけでもなく、ただただソファに腰を下ろして何やら彼らが会話をするのをただぼーっと聞くだけで。陽祐君が気を遣ってくれて、いつも紅茶を淹れてはくれるのだけれど、それが私の眠気を覚ましてくれる訳もなく、(むしろ助長させている気がしてならない。)
「 ねえ、はどう思う・・・って、ちょっと?」
「うん? ええ、そうね、 慧の考えに、賛成するかな。」
「・・・今、絶対聞いてなかったろ。」
意識が遠のいていく中で、ふと聞こえてきたのは那智の声で。なんとか那智の言葉を聞きとったのだけれど、残念な事に、それまでの会話をしっかりと聞いていなかった私は、思考能力が低下している脳内で、適当な言葉を探し出して声へと乗せる。まあ、そんな私の言葉に、那智が誤魔化されてくれない事も、何となく分かっていたけれど、
「 何だよ、眠いのか?」
「うーん、 今日は、いつもよりも特に眠い、かな?」
「かなって何だよ。・・・って、ちょっと、?」
ソファへ座っていた私の方へと自分の椅子から立って近づいてきた那智は、ゆるりと私の隣へと腰を下ろして私へと言葉を投げかけてくる。その言葉にも何とか返事をするのだけれど、隣から聞こえてくる、私が眠いのを気遣ってか、どことなくいつもよりも抑えて話してくれるその声に、ゆるりと自分の頭を彼の肩へと乗せてしまいつつ、そこから全身に流れるように伝わってくるその体温に、つい、目を閉じてしまって、
「・・・、おれ、まだ話し合いの途中なんだけど。」
「ふふ、ごめんなさい、那智。 少しだけ、肩、貸してくれる?」
「ごめんなさいって、・・・本気で謝ってるように聞こえないけどなあ?」 あまりの心地よさに笑みを抑えきれなかったのだろう、紡ぎだした言葉に、那智がそう返してくるのを聞きながら、けれど私が乗せてしまった肩の力が少しずつ抜けていくのも感じとったから、緩んでいた頬が、さらに緩んでしまって、
「 ったく、」
「ふふ、おやすみなさい、那智。」
「・・・まだ何も言ってないだろ。」
行動とは裏腹な言葉を聞きつつも、そろそろ限界にきてしまっていた意識を手放そうとしていれば、「ねえ、兄さん。が寝ちゃって、おれ動けなくなっちゃったから、ここから話し合いしても良い?」 なんて言葉を放つ那智の声が最後に聞こえてくるもんだから、笑みを浮かべたまま、愛おしさで身体を満たしたまま、私はそのまま夢の中へと落ちてしまったのだ。(ふふ、とても良い夢が見れそうだわ。)