「といっしょに?」
「ふふ。ええ、一緒にね?」
「 いくーっ!!」
同じ服で過ごす訳にもいかず、服を買うために一と一緒に外出しているそんな今日。一もお出かけをするのが嬉しいのか、手を繋いで歩いて目的地へと向かう最中もずっと笑みを絶やさないでいてくれるから、私もつられて笑みを浮かべてしまいながら、足をまた一歩と踏み出した。
「ー!!」
「うん? 欲しい服が決まったの?」
ぱたぱたと気に入った洋服があったのか、小さい腕で懸命に抱えながら私の方へと駆け寄ってくる一の姿を視界に捉えて、すとんと視線を落とすようにしゃがみこんで一を待つ。けれどそれと同時くらいに、服の裾に躓いてしまったんだろう、「わっ!!」 という声と共に、目の前で一が転んでしまうのが、目に入ってきて、
「あらら、一?」
抱えていた服がクッションになったおかげだろう、ぱふん、と音を立てて、一が床と(正確には服と、だけれど。) 挨拶をする形になってしまった。聞こえてきた音が、あまりに可愛らしい音だったから、慌てることなく彼に近寄って名前を呼んでみれば、むくっと起き上がって私の方へと視線を持ちあげた一は、少しだけ、顔を赤らめながら、
「えへへ、 こけちゃった。」
「はやく、にみせたくってね、」 照れながら、ぼそぼそと、それでもしっかりと私にその言葉を伝えようとしてくれる一。そんな可愛い事を言ってくれるこの小さな子に、愛おしさを感じない方がおかしいわけで。(・・・もう、私をどうしたいのかしら。)
「一、痛いところはない?」
「うん、ないよ!」
「ふふ、そっか。良かった。」
思わず、服の上に乗っていた一を自分の方へと引き寄せてしまいながら怪我の有無を聞けば、彼から返ってきたのは安心させてくれる言葉であった。ぽんぽんと、背中をあやすように撫でていると、そんな私の行動に最初は不思議そうに見ていた一だったけれど、「へへ、 っ、」なんて言いながら、嬉しそうに笑みを浮かべて一からも私に抱きついてきてくれて。そんな事をしていれば、一が思い出したように言葉を続けて、
「あ、そうだっ! っ、わんことにゃんこ、どっちが良い?」
「どっちのふくもあったから、どっちも持ってきちゃった!」 そう言って指で示す先には、先程一がクッション代わりにした2着の服で。一の言葉に、だからあれだけ嬉しそうな顔をしていたのか、なんてようやくその笑みの理由を理解しながら、小さなサイズの服と、満面の笑みの一を順に見やった。そんな彼の返事に、私はどちらかを選ぶなんて選択肢は、もう既に脳内には残っていなくて、 (ああもう、どっちも可愛いに決まってるでしょう?)