「うわーい、やったあ!!先生やっさしー!!」
先生のそんな声に八雲が元気な声で返事をしたのを合図に、天十郎に千聖、そしてアラタが椅子から腰を上げる。「これからおやつ食べるから、先生も一緒に食べよお?」 なんて嬉しそうに先生に続けて声をかける八雲を見て、つい笑みを浮かべてしまいながら、私もゆるりと席を立った。
「ええ?でも私がお邪魔しちゃうと、」
「ンフッ、ティンカーちゃんが来てくれるとオレも嬉しいよ?」
「やっくんも嬉しいナリー!ねえねえ!も嬉しいでしょ?」
「ええ、私も先生が来てくれると嬉しいわ。」
「うーん、みんなが、そう言ってくれる、なら、」
先生のそんな言葉に八雲とアラタが、会話には加わってなかったけれど天と千聖が、それぞれ笑みを浮かべているのを視界に入れる。ふふ、みんな先生の事が大好きなんだから。なんてその中にちゃっかり自分も入れていれば、隣を歩いていた千聖が「 、」 なんて私の名前を呼んできて、
「うん?どうしたの、千聖?」
「今日の晩、俺の家に来るだろう?」
「何が食べたい?」 そう言いながら、会話をしやすいようにか、側へと寄ってくれる彼のそんな言葉に、ついつい、「千聖の作るものだったら何でも構わないけど?」なんて言ってしまうと、「・・・何でも良いは、一番困る。」 なんて少し照れくさそうにしながら、そう言葉が返ってくる。何でも良い、は、大雑把すぎたかな、と思いながらも、彼のそんな顔に思わず頬を緩めてしまう。
「 ふふ、じゃあ、帰りにスーパーにでも寄って、それから決める?」
「 二人で、か?」
「もちろん、千聖が良かったら、だけど?」
千聖が作るなら何でも構わない、という言葉に嘘はなかったけれど、それでは彼が困ってしまうのも事実だったから何が良いかな、なんて考えてみるものの、ぱっと思いつくようには出てこなかった。そんな理由もあったし、久しぶりにのんびりとそうやって夕食の材料を彼と買いに行きたいという自分の希望もあって、千聖へとそんな提案を投げかければ、返事よりも先に、顔に笑みが浮かんでいたから、(ああもう、)
「 ああ、そうする。」
「ふふ、良かった。 この前は炒めものが多かったから、今日は煮込みものにする?」
「そうだな。 今日は洋食にするか?」
会話を続けるように言葉を紡げば、千聖からそう返事をもらう。この前の料理が和食だった事を思い出しながら、「そうね、この前は和食だったし・・・あ、でも、和食でも良いわよ?」 先程から繰り返しになってしまうが、千聖が作る料理はどれも美味しいし、そんな意図を含めながら言葉を返せば、その意図をくみ取ったのか何なのか、千聖はゆるりと唇を開いて、
「俺は、が喜んでくれるならどれでも構わない。」
さっきの私の言葉と同じような調子で、続けざまにそう言葉を放ってきた千聖は、それはもう楽しそうな笑みを浮かべていて。けれど、そんな言葉に嬉しいなんて思っている自分もいたから、「もう、千聖ったら。」なんて耳元で囁いてきた彼へと気恥ずかしさの混じった返事をすれば、ふわりと、自分の手に彼の手が絡まるのを感覚で、視界で捉えて、
「? どうしたの、千聖?」
「 と話していたら、早く、二人でスーパーに行きたくなった。」
「あら、それはそれは。」
「それで夕食をとって、」
「 早く、二人きりになりたい。」 まったく、せっかちなんだから、 なんて愛しい彼に言いたいところだけれど、再び耳に寄せられた唇を震わせて放たれたその言葉に、思わず頷きそうになってしまうんだから、(ふふ、まったく、)