「ったく、この俺を待たせるとは・・・・・」
そう言いながらも満更でもないような顔をしていた。足を組んで彼女がやってくるのを待つ。
今日の夜、パーティーの予定が入っている。真壁財閥の何からしいのだが、よく覚えていない。 父親との関係が以前よりも随分と良くなった今、こうしてパーティーに行くことにも嫌悪感を抱くことが少なくなった。父親とのそれも理由のひとつであるがもう1つはおそらく・・・・
ガチャ、
バカサイユのドアがゆっくり開く。そこから入ってくるのは、翼が待っていた人、であった。なのは間違いない(間違えるわけがない)のだが、何だか様子がおかしかった。覚束ない足取りで翼の方へ向かっていく。
「It's too late... 遅いぞ、。一体何を・・・・・?」
翼のもとに行くのさえままならないようで倒れそうな。さすがに翼も心配になったのか、立ち上がろうとする。
「、おま・・っ!!?」
立ち上がろうとしたまでは良かったのだが、それはが翼に倒れかかることで阻まれてしまった。なんとかの背中に手を回して倒れずにすむ。
「つ、ばさ、」
「お、おい、?」
の顔が翼の顔にだんだんと近づいてくる。目を瞑って彼女の柔らかそうな唇が来るのを待つ。・・・けれど、自分の唇にそれが降ってくる事はなく、目を開けるとそこには自分の胸の所ですやすやと寝ている彼女の姿かあった。
「ん、」
「・・・・はあ、お前という奴は、」
翼の腰には既にの手が回っていて、動こうにも動けない。頭を撫でてやると、嬉しそうに微笑むものだからパーティーのことをつい忘れてこのまま寝かせてやりたいなんて思ってしまう。
「これだけお前を思っているのに・・・お前は気付かないのか?それとも気付いていないふりなのか?」
未だに触れたことのない彼女の唇を見ながらそんなことを呟く。隣でこうしているだけで良かったものが時間の経過とともに欲というものが増していく。いつまで、我慢できるだろうか。
「Thirty minutes ・・・ 30分、だけだからな。」
少しくらいパーティーに遅れても良いだろう。だいたい、ヒーローは遅れて登場する者だ。(と、この前読んだ絵本に書いてあった) それに、こんなに幸せそうに(そして、俺に抱きついて嬉しそうに)寝ているのに、を起こすのはもったいない。
「Sweet nights ! 良い夢を。」