「遅くなっちゃったな。」


毎日のように通っている図書館へ行き、本を返却して次に読もうとしていた本に手を伸ばす。と、その横に、面白そうなタイトルの本があった。惹かれてしまってついそちらに手を伸ばす。本を開くと、そちらの世界へ引き込まれてしまっていた。
結局、本を全て読み終えてしまってずいぶんと時間が経ってしまった。その挙げ句、本を借りて出ようとした時に、司書の先生に手伝いを頼まれる。(・・・顔を覚えられているのだ、こういう時は不便で仕方がない。)



手伝いを終えて、私が図書館から出る頃にはすでに太陽は沈んでいた。休日である明日は何をしようか、昼まで寝るというのもたまには良いかもしれない、なんて考えながら学校を後にしようとした。と、前に人影を発見する。


「・・・・瞬?」
「っ! !」


その姿を確認すると、その人は瞬であった。けれど、何で瞬がここにいるのだろうか。今日は確かバイトが入っていると言っていたはずなのだけれど。そう思っていたら瞬がこちらに駆けてくる。


「どうしたの?瞬、今日はバイトがあったでしょう。どうして学校に?」
「・・・・が電話に出ないからだろう。」


何か、あったかと思った。 ほっとしたような顔をされ抱きしめられる。そういえば、図書館にいたから携帯の電源を切っていたんだっけ。抱きしめられたまま、携帯の電源をつけ履歴を見てみると、瞬の名前がずらりと並んでいた。


「ごめんね、瞬。気付かなくて。」
「べ、別に良い。無事にこうしているんだから。」


もう一度、私がいるのを確かめるように抱きしめられる。上にある瞬の顔を見ると、少しだけ顔が紅かった。それに気付いた瞬は 「そ、そんなに、見るな、」 とさらに紅潮させて私に顔を見られないように私の頭を自分の胸に押しつける。(可愛いなあもう。)


「遅くなる日には電話してくれ。」


・・・心配で、バイトに集中できない。 そんな事を言ってくれる瞬の顔が見たくて、上を向こうとするけれどそれは彼の手によって阻まれた。と、その代わりに額に唇が落とされる。


「電話をもらったら、必ず迎えに行くから。」
「ふふ、ありがとう。」


今度は上を向くことが出来て、それと同時に今度は唇に彼のそれが落とされた。

ある日の帰り道。

瞬、顔が紅いわよ?   う、うるさい。そう口に出して言うな。   ふふ、可愛い。   い、良いから、帰るぞ!早く後ろに乗れ!  はいはい。(愛しいなあ、もう。)