「、今回はどこ行くンだ?」
「イタリアに行こうと思ってるけど?」
「オレ様も連れてけ。」
仙道家とは家族ぐるみで仲が良いので両親にそれを言うと二つ返事で了承をした。(私の家族は清春にあまいのだ。その中に私も入っているのだけれど。) 清春についてきた理由を聞くと、どうやら夏凛さんと冬哉さんから逃げてきたらしいのだ。あの2人とは私も仲良くさせてもらっているので気が引けたのだが、あまりの清春の必死さに押されてしまいこうして清春を連れてイタリアに来ている。(私と一緒にいると言ったらあの2人は仕方ないと身を引くらしい。たまに、私も巻き込まれて一緒に連れられてしまうこともあるけれど。)
そうしてイタリアに来て4日目の朝、ベッドに入って熟睡していると微かに音が鳴っているのを感じた。夢の産物かと思って寝直すのだが、どうやら違うらしい。音はずっと鳴り響いている、この機械音は携帯の着信音だろうか。ごそごそと目を瞑ったまま手探りで音の発信源を探す。
「どこにあるの・・・・」
枕の下をまさぐっていると、こつんと何かにあたる。それに触れてみると震えるのが分かったので、それを開いてボタンを押した。 ところで、私の携帯の着信音ってこんな音だっただろうか。この音には何だか聞き覚えがあるのだけれど。
「もしもし、」
「もしもし、キヨ?なんで早く出てこないの!ゴロちゃんが電話してるのにっ!!」
「・・・・悟郎?」
電話の向こうから聞こえてくる声は悟郎の声だった。その悟郎が第一声に清春の名前を出したから、おかしいと思って携帯を見るとそれは確かに清春の携帯だった。(私の携帯はベッドの横のテーブルに置いてあった。)
「清春の携帯か。(通りで着信音が・・・)」
「ちょっとキヨ!聞いてるの!?」
悟郎の声が私の耳にきんきんと響いて聞こえてくる。朝からあのテンションにはさすがについて行けないから、清春に渡そうと思い隣を見るけれど、そこには清春の姿はなかった。シャワーでも浴びに行ったのだろうかと思い、仕方なく身体を起こしてバスルームへと向かおうした。
「おっ、やっと起きたかァ?」
見上げてみると、髪を濡らした清春がいた。(髪の毛のくるくるも少しだけおとなしい) おはようという前に口を塞がれて、「寝過ぎなンだよ、お前。」 と不満そうに言われる。時刻を見てみるとAM11時前、あー寝過ぎたなーなんて、呟いてみるとまた口を塞がれた。
「ん、清春、悟郎から電話。」
「ンァ?用件はなンだってェ?」
まだ言ってないと言うと、じゃあ聞け、と返されて、ベッドに座り直して再び清春の携帯に耳を当てる。
「悟郎、用件は?」
「だーかーらー、みんなで翼が作った都内のプールに行こうって言って・・・・・あれ、の声?」
プールか、みんなにも久しぶりに会いたいし、そろそろ日本に戻ろうかと話していたところだ。(清春の補習があるのだ、イタリアに行く前に悠ちゃんに泣きつかれた。) 清春もどうせ行くだろうと思い、悟郎に「じゃあ、明日なんかはどう?」 と尋ねると、とてつもなく大きな声で叫ばれた。
「キャー!!!!!がキヨにポペラ食べられちゃったー!!!!」
耳を塞いで隣を見ると、楽しそうに大笑いしている清春の姿があった(分かってて出させたわね。)