「違うぞ、俺の方がを愛してる!」
「にゃー!にゃにゃあ!」
「お・れ・だ!」
「にゃ、にゃ!」


「・・・何を言っているの?」



私は一の家で本を読んでいた。(彼と恋人になってから、よくこの家に来るようになった。なんとなく、居心地が良いのだ。) と、突然、冒頭の台詞が聞こえてきた。本を読むと周りの音が聞こえなくなるから、急に彼らが声を出したかのように想えて余計と驚いた。


私の言葉には耳を貸さず、2人は見合ってじーっと動かず。その時間が凄く長く感じた、実際は1分だったかもしれないし、もっと長かったのかも知れない。とにかく、その沈黙は心地よいとは言えないものであった。こんな雰囲気の中本なんか読めるはずもなく、読んでいた本を閉じて彼らを見る。両者は未だに譲らず。


「俺は、を日本一愛してる!」
「にゃっ、にゃにゃー!」
「な、なにっ世界一だと!・・・むー、俺は宇宙一愛してる!」
「にゃにゃっ!にゃあ!」
「なっ!愛に大きさなんて、関係ない?! ・・・・上手いこと言うな!」


「えーと、・・・むぅ、」 なんて白猫くんに対抗心をむき出しにして次の手を考える一。(・・・この際、一が猫と普通に話しているのは流しておく。これも最近見慣れた事の1つである。) 白猫くんはその間に私の膝に乗ってきて気持ちよさそうに身体を丸めた。それに一が気付いてまたまた口論へ・・・・一本調子のままである。


さて、そろそろ止めようかな。


「ほら、2人とも喧嘩は駄目よ?」
「だ、だって!こいつがっ!」
「にゃ!みう!」


「喧嘩は駄目よ?」 二度目の言葉に、両者は押し黙る。隣に座っていた一は私の肩へ顔を乗せて「ふんだ!」と言っているし、私の膝に乗っている白猫くんもそこで身体をまるめて「にゃんっ!」と意地を張って2人とも謝ろうという気はないらしい。(まったく、これじゃあ私がお母さんの役になるじゃない。)


「一、白猫くん。」
「・・・・」
「もう、2人ともお互いのこと嫌いな訳じゃないでしょ?」


私がそう言うと、一は 「大、大・・・・っ!い、言えねぇ!!」 なんて言って、上げた顔をまた肩に埋めて私の名前を呼ぶ。白猫くんも「にゃ・・・・み、みゃ!!」 と同じような事をする。(可愛いなあ。)


「大好きなのに大嫌いなんて言えないものよ?」
「・・・」
「私は2人に大嫌いなんて、絶対言えないけど?」
「・・・・俺も、とねこにゃんのことは・・・大好きだ。」
「・・・・みゃ、みゃう。」


猫の言葉は私には分からないけど、一の反応を見る限り白猫くんが一と同じようなことを言ったのは分かったから、2人の頭を撫でながら 「仲直り、ね?」 と言葉を出す。すると一が猫を抱き上げて、「ごめんな、俺、大好きだぞ。」 と猫に頬摺りをして謝った。


「ふふ、」
「でも・・・・」
「わ!・・・一?」


私が何だか微笑ましくて笑っていると、私の後ろに入り込んで、「俺が一番を愛してるんだ!これだけは譲れねえ!」 そう言って私のお腹に手を回してきた。あまりに可愛かったものだから、一の頬にキスをする。そうすると一は、はにかんで白猫くんにしたように頬摺りをしてきた。


「みゃ!」


すると、白猫くんがまた私の膝に乗っかって擦り寄ってきた。
「ねこにゃんは大好きだ。・・・・けど、」  きゅうっと抱きしめる力を少し強める。


「いくらお前が大好きでも、は俺のモンだ!」


なんて可愛いことを言ってくれた。(好きだなあ、もう。)

にゃんことわんこの攻防戦

一、私は物じゃないんだけど。  う、…んなこと今言うな!格好良く決めたつもりだったんだぞ!  ふふ、ごめんごめん。