「ほら、瞬。挨拶しなきゃ。」
「・・・」
「あははっ!キューちゃん怖がられてるー!」
「こ、こら、悟郎くん!」
補習のことを話すために、瞬を連れて学校に来てみたは良いものの瞬が極度の人見知りだからか、九影先生や悠里先生に挨拶をしてくれない。学校で行く途中に会った悟郎とは普通に挨拶できたのに・・・私の足にしがみついている瞬を見ながらため息をつくと、瞬がそれに大きく反応した。
「っ、 、おこった?」
どうやら先程のため息を私が怒っていると思ったらしく、目を潤ませて見上げてそう言ってくる瞬。ぎゅうっと服を掴みながら 「おこ、らないで、」 という姿はもう本当に可愛すぎて。懸命に私に抱きついてくる瞬を抱き上げて、優しくあやす。
「大丈夫、怒ってないわ。」
「 、 ほん、とう?」
「ええ、本当。」
瞬を安心させるように微笑むと、泣きそうだった顔に笑顔が見えてくる。今なら大丈夫だろうと思って、悠里先生に目配せをして瞬に声をかけてもらう。
「瞬くん、こんにちは。」
「 こんにちは。」
「瞬があいさつした!やったじゃん先生!」
礼儀正しく、ちゃんとおじぎまでして先生に挨拶する。「できた。」 なんて、嬉しそうに笑う瞬に「うん、できたね。すごいすごい。」 と頭を撫でて褒めると、さらに嬉しそうな顔をして肩に顔を埋める。悠里先生と悟郎も瞬が挨拶してくれたことにとても喜んでくれている。けれど、もう1人、挨拶をしていない先生が。
「瞬、もう1人の先生にも挨拶しないと、ね?」
「・・・う、」
怖がられている、と言われて沈んでいる九影先生の所に行かせるように瞬を降ろす。(頑張れ、瞬!なんて悟郎の声がする。)「大丈夫、優しい先生なのよ?」 と言うとゆっくりと先生の方に近づいて、服をくいっとひっぱった。「せ、せんせ、」
「・・・七瀬?」
「 こ、こんにちは。」
「・・・おう。」
最初は沈んでいた先生も瞬が挨拶をすると、やはり嬉しかったのかわしわしと瞬の頭を撫でて返事をする。悟郎と先生は「やったね、瞬!挨拶出来たじゃん!ポペラすっごーい!!」 とか、「やりましたね、九影先生!瞬くんが挨拶してくれましたよ!」 とすごく嬉しそうにしている。微笑ましいなあ、なんて見ていると、「!」 と下から呼ばれたから、視線を同じにしようとしゃがむ。と、瞬が思いっきり抱きついてきた。
「あいさつ、できた!」
嬉しそうに首に腕を回してくる彼の笑顔はいろいろな意味でやばかった。
とてもナイーブないきものです
瞬ったら、もう。(愛しいなあ。) ゴロちゃんも混ぜてー!ハグー!! う、うらやましいっ!!私も混ぜてっ! わ、ちょ、先生まで。(瞬が潰れそう・・・) っ、(く、くるっ) よっと。 っ!! あ、九影先生。助かりました。 はは、俺にはこれくれーしかできねえからな。 た、かい。 あ、瞬が嬉しそう。
title by リライト / とてもナイーブないきものです(小動物の飼い方10の基本)