ー!!」


何やら2人で用事があるらしい一と小さくなってしまった清春を見送った後、バカサイユで二人を待っていようと本を読んでいれば、バンッと、いつものように扉を開けるときの豪快な音はしないけれど、けれどドアを小さなその手で開けた後の、パタパタ、なんてこちらへと駆け寄ってくる可愛らしい足音は聞こえて。


「ふふ、どうしたの、清春? ・・・って、一?何、その大きな笹は。」
「さっき真壁財閥から届いたんだぜー。でっかいだろ!」


読んでいた本を机の方へと置いて駆け寄ってくる清春を迎えれば、のそのそと自分でソファへと上って私の足の上へと乗ってくる清春の頭を撫でていれば、続いてやってきた一と、その後ろに抱えられた大きな笹に、思わず間の抜けた声をあげてしまう。
そうすれば、一から返ってきたのは私が欲しかった答えとは少しずれたそれで。笹・・・何で笹を持ってくるんだろうか、なんて自分の中で考えを巡らせていれば、くいくいっと目の前に居た可愛い彼に、腕を引っ張られた。


っ! もたなばたするぞっ!」
「たなばた?・・・ああ、今日って7月7日だっけ。」
「おうっ!みんなの短冊もちゃんと持ってきたんだぜー、な、清春!」
「うん!」


「これのぶん!」 聞こえてきたその言葉に、今日が短冊を笹に飾ってお願い事をするという、そんなイベントがあった事をようやく思い出す。一の声に元気よく返事をした清春が、再度くるりと私の方へと顔を向けて色の付いた長方形の紙を手渡してくれる。


「ふふ、ありがとう、清春。」
「どーいたしまして!」
ー、翼達はもうちょっと後から来るって言ってたから、清春と先に願い事書いといてくれるか?」
「ええ、もちろん。 ね、清春。一もそう言ってるし、最初に書いてしまおっか。」
「うん! といっしょにかくー!」


清春のそんな声にまた愛らしさを感じながら、さすがに清春を乗せたままだと書けないから彼を隣に座らせて、短冊を机へと置いてペンを手に持つ。さて、何をお願いするかな、なんて考えていると、隣から私の名前を呼んでくれるその声が響いてきて、そちらへと顔を向けると、


「どうしたの、清春?」
っ、これ書けー!」
「あら、清春はもう願い事が決まったの?」
「うん!あのな!」


差し出された、まだ何も書かれていないその紙。わくわく、なんて音がぴったりと合いそうな、そんな顔で、清春がこちらを見てくるから、つい、その可愛さに抱きしめてしまいそうになったけれど、それよりもまず、彼の言うお願い事を書かないと、なんて必死に理性を総動員させつつ、清春にそう言葉を紡ぐと、珍しく、彼の顔が少しだけ赤くなったかと、思えば、 「えへへ、」


がおれのおよめさんになれ!って書くんだぞ!」


嬉しそうな、楽しそうな笑みを浮かべながら放たれたその言葉に、きゅっと服を掴みながら紡がれたその言葉に、理性を総動員させて我慢していたはずの私が小さくなってしまったそんな愛しい恋人を、抱きしめてしまうのに、全く時間は掛からなかった。

たなばたするぞ!

ああもう、清春ったら。   っ、はなんてお願いするっ?   ふふ、そうね、私も、清春のお嫁さんにしてもらえますようにってお願いしようかな。  !ほんとうっ!?    おーい、書けたかーって、おいおい、またか、っ、?  ふふ、ごめんごめん、つい、ね?