「千聖くん!ご飯は何が良いかな?」
「・・・お前が作ってくれるなら何でも良い。」
「う、えっと、そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、ね?何でも良いと言われると、」


いつもよりも少し遅く起きたそんな今日は、仕事もない休日で。パジャマの上からエプロンを着てそのままキッチンに立って朝食のメニューを考えながら、我が家に住むようになった千聖くんへと声をかける。俺と同じくさっきまで気持ちよさそうに寝ていたからたぶんまだ眠たいんだろう、自分専用のエプロン(いつも千聖くんは料理を手伝ってくれるんです。)を身に纏った千聖くんはそのまま俺の背中へと張り付いて来て、俺の腹部へと腕を回してしまった。


「千聖くん?あの、まだ眠いなら寝てても良いよ?俺が朝食作っておくし、」
「 いや、手伝う。」


もぞもぞと枕でするみたいに俺の首元に顔を埋めて擦り寄ってくる千聖くんは眠そうな声を出しつつも、言葉ではそう紡いでくれる。そんな言葉に、そんな動作に、思わず可愛いなあなんて流されてしまいつつも、こんな格好では朝食が作れないから、緩めて欲しいという意図を含めながら、腹部に回されている彼の手をぽんぽんと軽く叩くのだけれど、


「えーと、千聖くん?」
「ん?どうした、?」


けれど俺のそれは逆効果だったようで、緩めるどころか腕の力を強くしてしまった千聖くんへと俺は声をかけるのだけれど、千聖くんは気付いてくれてないらしい。彼の身長が俺よりも低かったら動けたかも知れないけれど、生憎と彼の身長は俺をすっぽりと包み込んでくれるくらいに高くて、(それが心地よかったりするのだけれど、)(・・・って、何言ってるんだ俺は、)


「料理するから、ちょっと離れて欲しいなあと、ね?」
「・・・は、俺が嫌いか?」
「う、いや、そうじゃなくて!!こうしてくれるのは嬉しいし、好きだけど、ほら、今は、」
「そうか、好きなのか。」
「・・・千聖くん、俺で遊んでない?」
「ふふ、まさか、」


「俺の愛しいご主人様に、そんなことするわけないだろう?」 べろりと、犬になっている時にするように、埋めている首元を舌で舐めてくる千聖くんは、楽しそうな笑い声と一緒にそんな言葉を放ってくる。童謡にあるみたいに、雪が降って駆け回ったりしないし、犬らしい動作なんてあまり見せない彼だけれど、たまに、こういう犬らしい行動を取るから困ったものである。(くすぐったくて、かなわない。)


「 ち、千聖くん、それ、くすぐった、っ、」
「知っている。」
「し、知ってるって、じゃ、じゃあ、止めてっ、」


まだ、駆け回ったりしてくれた方が、俺に被害がないのに、なんて思いながら、けれど駆け回る千聖くんなんて想像できないし、今のままの彼が、料理を手伝ってくれて、俺にこうやって甘えてくれる千聖くんが、俺は、(ああ、でもちょっと、ちょっとだけ、)

スキンシップがすこしはげしいです

・・・、   ふふ、うん?何、千聖くん?  朝ご飯に、を食べたいんだが、  ・・・え、ええ!?お、俺なんか食べても、お、美味しくないよっ!!ね、は、早まらないで千聖くん!!   ・・・なら、が俺を、   お、俺犬肉なんて食べた事ないよっ!!そ、それに千聖くんを食べるだなんて、そ、そんな事できないよっ!!  ・・・冗談だ、冗談。   あ、な、なんだ冗談か、(よ、良かった。)   ・・・(これだから、俺のご主人は、)



素敵なリクエストをありがとうございました!
requested by 匿名様

title by リライト / スキンシップがすこしはげしいです(猛獣の飼い方10の基本)