っ、見て!!」
「うん?」


小さくなった一の様子を見ながら自分の部屋で夏休みの課題をこなしていれば、前歩から聞こえた子ども特有のその高い声。課題から外してその声のする方へと視線を移せば、椅子の上に立って窓の外をのぞき込んでいる一の姿が目に入る。


「どうしたの、一?外に何かあるのかしら?」
「空が光った!ピカッて!!」


「あと、ゴロゴロって音もする!」 窓に両手をついて灰色になってしまった雲の間を見て楽しそうにそんな事を言ってくる一。どうやら彼は雷というものに恐怖よりも楽しみを覚えているようで。イスから降りてきて、私の元へと駆け寄ってきたかと思えば「も一緒に見るっ!」 なんて満面の笑みで手を引っ張られる。そんな事を可愛いその笑みでされたものだから、課題を中断させずにはいられなくて。


「おお!っ、また光った!」
「ふふ、そうね。一、楽しい?」
「うん!楽しいぞ!!」


もいるから、さっきよりももっと楽しいっ!!」 なんてこちらを見ながら、また愛しい事を言ってくれる。椅子の上に立っていれば落ちた時に危ないからと言い聞かせて、一を膝の上に乗せて座らせてその雲の間に走る閃光を見ていれば、一度だけその閃光のすぐ後に大きな音の雷鳴が鳴り響いて。


「わあっ!!」
「あら?」


その大きな音にさすがに一も驚いたのか、雷鳴が響いた瞬間、ぎゅうっと思いきり私に抱きついてきた。それからその雷の所為だろうか、どうやら停電になってしまったようで。部屋が真っ暗になってしまい、動こうにも動けない状態で一の様子を見てみると、彼の目には少しばかり潤んでいるようだった。


「一?どうしたの?」
「   まっくら、やだ。」


心配になって彼の顔をのぞき込むようにして訊ねれば、弱々しい声でそう言葉を紡ぎ出せば再度私の身体へと離れないようにと抱きついてきて。そういえば夜になって寝る時にも妙にひっつきたがっていた事を思い出して、その行動に納得をする。(どうやら彼にとって雷よりも暗闇の方が恐怖の対象になるようで。)


「大丈夫よ、一の側にずっといるから。」
「  ほん、とう?」
「ええ、本当。部屋が明るくなるまで、もうちょっと待っていましょうね?」


彼の短いその髪の毛を撫でながらあやすようになるべく優しく声をかけながら彼を安心させていれば、満面、とまではいかないけれど、彼は少しだけ笑みを見せてくれるようになって。それから一は「、手かして?」 そう言って自分の頭を撫でていた私の手を自分のその手でつんつんと突いてきて。何をするんだろうと思いながらも彼のその言葉に私の手を差し出せば、自分の胸元へと大切そうに持っていって握りしめて。


「へへっ、とずっと一緒っ。」


そう言いながら、彼は今度こそ、その愛らしい満面の笑みを私の瞳に映してくれたのだ(ふふ、もう一ったら。)

かわったものにきょうみをもちます

それから可愛らしいその笑みを浮かべる彼をぎゅうっと優しく抱き込んだのだ


素敵なリクエストをありがとうございました!
requested by みなせ様

title by リライト / かわったものにきょうみをもちます(珍獣の飼い方10の基本)