さん、今から学校に来てくださいよー、面白い事が起きますから。」


図書館からの帰り、庄次からそんな連絡をもらった。英虎も呼んだらしいから、たぶん喧嘩云々で呼ばれたんだろう。まあ呼び出されたくらいなのだから、面白いんだろう。それに英虎も向かっているらしいし。勉強帰りで特にその後の用事もなかった俺は、とりあえず学校を目指して足を進めたのだけれど・・・


「・・・庄次、学校ってこっちの事じゃなかったのか?」
「ええっ!?さんまで東条さんと同じ間違いしないでくださいよっ!」


「聖石矢魔の方ですよ!」 瓦礫の山になっている学校で何があるんだろうと思ったのに、そっちの学校の方だったなんて。無駄足を踏んでしまった事にため息を吐きながら、それなら最初からそう言ってくれと文句を庄次に零そうとしたのだけれど、それよりも前にある名前が紡がれた事にゆるりと気が付いて、


「・・・英虎も、こっちに来てるのか?」
「さっき同じ事聞いてきたから間違いないですよー。もう、さん頭良いのにそういうとこ抜けてるんスから。」
「・・・む? なんだ、もここに来てたのか?」
「あ、英虎。」


「あ、やっぱり東条さんもいたんですね。じゃあ、2人で早くこっちに来てくださいねー。」 携帯越しに聞こえてきていた声とは別のそれが、俺のもう片方の耳へと響いてきた。その声のする方へとゆるりと顔を向けていると、そう言うや否や一方的に電話を切られる。しまった、文句を言い損ねた、なんて思っても既に遅いからとりあえず携帯をしまって英虎へと意識を向ける。


「ほら、。」
「ん?」
「お前も庄次から連絡もらったんだろ?」


「一緒に行くぞ。」 瓦礫の山の頂上にちょこんと座っていた英虎がこちらへやってきたかと思ったら、ぐしゃっと頭を撫でてきて、放ってきたそんな言葉。それから、近くにあった自転車のサドルへと跨がって後ろにあるその場所をぽんぽんと叩いて、続けてそんな言葉を紡いだ。言葉は少なかったけど、それで理解できない程、付き合いが短いわけでもないから、俺は「お言葉に甘えて。」なんて笑みを浮かべてしまいつつ、英虎の後ろへと駆け寄った。



「勉強してたのか?」
「ああ、学校で勉強なんてできないしな。英虎もバイトだったのか?」
「おう。その途中に、庄次から電話が来てな。」


「面白そうに話すから、抜けてきた。」 ちょっとぶっとばすから、しっかり捕まってろよ。そう言われたから、しっかりと英虎の腹部の方へと腕を回したままで、そんな会話をする俺達。英虎の雰囲気が何やら楽しそうなそれだったから、喧嘩云々で呼び出されたという事で間違いないらしい。そんな事を思いながら、えらく速い勢いで目まぐるしく変わるそんな風景を見ていると、だんだんと目が回ってきてしまって。


「(・・・気持ち悪い。)」
「ん?、どうかしたのか?」
「・・・いや、何でもない。」


英虎に少しスピードを落として欲しいと言おうとしたけれど、楽しみにしているらしい英虎のそんな声を聞くと、どうにも言いづらくなってしまって。だから、目が回るのなら見なければ良い、という別の答えに行き着いた俺は目を瞑って自分の顔を英虎の背中へと押しつける事に決めた。もう二度と目まぐるしく動くその光景を見るものかと、ぐりぐりと顔を猫のように擦りつけると・・・案外、それが気持ちよくて、


「ああ、英虎は体温が高いからか、」
「??どうした、急に?」
「ああ、・・・いや、英虎の背中に顔をくっつけたら気持ちよくてな。」


「・・・癖になりそうだ。」 腹部に回しているその腕からも伝わってきていたその心地よい体温にピンと来て、ついその言葉を紡いでしまう。それに不思議そうに声をかけてきた英虎へと返事をしながらも、顔はしっかりと英虎の背中へと擦り寄せて、くっつける。ああ、英虎に猫がよく寄ってくる理由が分かった気がする。


「ん?・・・なんだ、は気付いてなかったのか?」
「うん?気付いてなかったって、何にだ?」
、俺の後ろに乗る時はいつもそうやって俺の背中に顔を擦り寄らせてたぞ?」


「猫みたいだったから、俺もそのままにしてたが。」 あまりの気持ちよさに何度もそんな行為を繰り返していれば、ゆるりと聞こえてきたそんな英虎の声。・・・待て、え、は? 俺はいつも英虎にこうして顔を擦り寄せていたのか?思い返してみたは良いものの、本当に無意識でやっているらしく全く思い出せない。・・・けれど、今思えば、この心地よさには何だか覚えがあるような気がするような・・・・・・


「・・・英虎、」
「んー、どうした?」
「・・・学校に着くまで俺は寝る。」
「ん?どうしたんだ、急に。」
「良いから俺は寝る。着いたら起こしてくれ。」
「??おう、別に良いが・・・」


何だか妙に恥ずかしさを感じてしまって、顔を埋めたまま英虎にそう言葉を紡いだ。耳と顔が熱いのは、きっと英虎から体温が移ったんだと自分にそう言い聞かせつつ、きゅうっと先程よりも強く目を瞑る。そんな事をしながら英虎に返事をしていると、「本当に猫みたいに気まぐれだな、お前は。」 なんて人が気にしていた事を英虎が口にするもんだから、これでもかと言わんばかりに、顔をその背中にくっつけてしまった。


「まあ、そんな所も可愛いんだが、」


さらに聞こえてきたそんな言葉に、俺が英虎の腹部をさらに締め付けてしまう事になるのは、その広くて大きな心地よいと感じてしまうその背中に顔をくっつけてしまう事になるのは、仕方のない事だと思いたい。

顔に広がるこの熱は

あ、東条さん!やっと来たん・・・って、ええ、さん寝ちゃってるんスか?  チャリンコの後ろに乗っけて一緒に来てたんだが、途中で寝ちまった。ほんと猫みたいだよなこいつ。   ・・・(それで起こさないままおぶってくる東条さんも東条さんだよなー)(・・・しかもどっちもすげー幸せそうな顔にしてるし。)

べるぜ、べるぜっ!!(落ち着け)初めてのべるぜ、しかも虎だったので書くのにえらい緊張しましたが、とてもとても書いてて楽しかったですっ!いやしかし、虎がえんらい似非な気がしてなりませんっ、すみませんっ。しかし書いた本人はとても楽しっ(強制終了)
す、素敵なリクエストをありがとうございました!そして応援のお言葉もありがとうございました!
とても力になります!
requested by 匿名様