「・・・う、ん、 おれ、 コンソメあじ、 」
「・・・お菓子だったら家に帰ってから食べろ。そしてさっさと起きてくれ。」
学期末にあるテスト、もちろんその期間中は勉強しなさいというお達しが出るため部活も休みになる。授業が終わってすぐに家に帰っても良かったが、そうすると、何かとバスケ雑誌やら録ってあるバスケの試合やらと、他のものに手を出してしまいかねないから、少しでもまともに勉強しておこうと学校の図書室で勉強をしていたのだけれど、
「ほら、そろそろ帰るぞ。」
「 あー。 勉強終わった?」
「・・・お前も他人事じゃないはずだが。」
隣でその大きな身体を机に突っ伏してすやすやと気持ちよさそうに寝ていた敦の身体をゆるゆると揺らして起こす。勉強をしにきたはずなのに、こいつのノートには勉強のべの字すらも書かれていなかった。(・・・文字になってない文字は、結構書かれてあるんだが。)
「ちゃんと勉強しないと、おばさんに怒られるぞ?」
「にちゃんと前日に教えてもらうから大丈夫だし。」
「いつもそれで点数取れてんじゃん。」 ふああ、と何とも眠そうな欠伸をしながら彼がそんな暢気なことを言うものだから、俺は思わずため息をついてしまう。こんな所でそんな信頼を寄せないで欲しいのだが、なんて思いながら、長いその手を天井へと伸ばして、眠っていた所為で多少凝っていたらしい身体を解す敦へとまた言葉を返した。
「・・・毎度言ってる気がするが、頼むから俺を巻き込んでくれるな。」
「えー、だって、の教え方上手いし。」
「いや、そう言ってくれるのは嬉しいが・・・」
だからって、何もテスト前日にしかも泊まり込みで俺の家に押しかけてくる事を承諾する理由にはならない。けれど信頼してくれているのは分かるから、無下に断る事もできなくて。というか、高校受験もあるんだからそろそろ敦もコツコツと勉強をする癖を付けた方が良いと思うんだが。「・・・あー、」
「じゃあ、今日の家に泊まりに行けばいーじゃん。ちょーど、明日は学校休みだし。」
「・・・は?」
「あ、晩は食べてから行くし・・・んーと、何持ってこ。 お菓子とー、ノートと、」
「教科書・・・は、に見せてもらうし、」 ・・・どうやら、もう既に俺の家に泊まり込むというのは俺の意志の有無に関係なく、決定済みになってしまったらしい。いや、コツコツと勉強すれば、とは、ぼそっと口に出したけど、だからって何もそれを俺の家で実行しなくても、
「 、お菓子何が良いー?」
・・・けれど、テスト勉強だと言うのに、何故だか嬉しそうにそう訊ねてくる敦のそんな顔に、
俺は昔から、いつだって、弱いから、
「・・・コンソメ味。」
「りょーかいー。」 なんて笑いながら、自分よりも低い場所にある俺の頭を、敦はくしゃくしゃと撫でて、返事をしてきたんだ。
気付けばいつも隣に君がいた
・・・それと、 んー?なにー? 教科書もちゃんと持ってこい。 ええー、だって重くなるし。 ・・・俺と敦の家は隣同士だろう?(どれだけの距離があると思ってそんな事言ってるんだ。)
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title by リライト / 気付けばいつも隣に君がいた(腐れ縁な二人へ10の御題)
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