!Attention!
*大学生(3年以上)の設定です。
*青くんと主くんは2人暮らし。
*火くん・黄くんは全く喋ってません。



8月31日、その日は青峰君の誕生日で。

彼を祝おう、という名目で、青峰君と君の家に誕生日の前日からお邪魔していた僕達。練習が休みだったのもあって、ストバスでめいいっぱいバスケをした後、いつものように君が作ってくれたご飯を食べて、


「(・・・あたまがいたい、)」


それから二十歳を過ぎているんだからこういう時は折角だし、と黄瀬君がいつの間にやら買ってきていたアルコール類を飲んで、0時になって青峰君にお祝いの言葉を言って、それからまた会話を楽しんで、と・・・良いだけ騒いでしまった訳ですが。

ストバスの疲れに、アルコールが相俟って、おそらくそのまま眠ってしまったのだろう。ぼんやりとではあったが、彼らの部屋に置いてある、見覚えのあるそのテーブルが視界に入ってきたから、またリビングで雑魚寝になってしまっているようだということを何となく理解する。まあ、これもいつものことになってしまっていますが。


「(たしか、テーブルに水が・・・)」


まだ窓の外も暗く、起きる時間ではなかったけれど、重くなっている頭を少しでも楽にしようと昨夜、君が用意してくれていた水を飲もうと身体をゆっくりと起こす。そして、テーブルの上を確認しようとそちらへと視線を移せば、相変わらずの寝相で眠っている火神君と黄瀬君の姿、・・・そして、

青峰君と君も、当然僕の視界に映り込んでくるのだけれど、思わず、その2人へと視線を固定してしまったのだ。


「・・・」


まさか、青峰君の腕を枕にして眠る君と、その君の腰へと手を伸ばしている青峰君の姿を見る事になるなんて思わなかったから


「(仲が良いというか、なんというか、)」


もう二十歳も過ぎた男、しかも身長もえらく高い2人が一緒に眠っているところなんて、一般的に考えれば、寒い絵に思われるんでしょうが、・・・でも、彼らをよく知っているから、かもしれないけれど、この2人のそんな光景を見ても、寒いどころか、微笑ましいとさえ思えてきて、


「ふふ、」


何だか心が温かくなるような気持ちにさせてくれるから、不思議で仕方ない。偶然そうなったのか、それとも酔った勢いのままに一緒に寝ることになったのか、最初に寝てしまった僕には判断がつかないけれど、この光景はきっと次に起きた時にはもう見えなくなってしまう事は分かる。朝を迎えて目が覚める頃には、彼らはきっと僕らの朝食の準備をしてくれているから、


「(・・・もう一眠りしましょうか、)」


気持ちよさそうに眠る彼らを見ていると、何だか自分まで眠たくなってきて。時間を見れば、まだ5時ほど。今日も練習は休みだし、もう少し寝ていても大丈夫だろう。テーブルにあった水をこくりと喉に通して、再度、君が用意してくれた枕へと頭を落ち着ける。それから、ゆるりと瞼を下ろした、そんな時、


「 ん、 あさ、」
「・・・んあ?」


のんびりとした声が2つ、そんな2人の方から僕の耳へと入ってきて。物音で起こしてしまっただろうか、と思ったけれど、どうやら違ったらしい。「・・・べんとう、」なんて寝言のような声が君から紡がれたかと思えば、


「・・・きょうは、練習も大学もやすみだろ、」


「つうか、まだ5時じゃねえか・・・」青峰君の方も半分寝ている状態なのか、覚束ないその言葉を呆れたような声音で紡いだ。寝転がってしまった僕には2人の姿を見ることはできないけれど、ごそ、と少し音がしたから、君が起き上がろうとしたところを青峰君が止めた事はなんとなく予想できる。


「・・・ごじ、」
「ああ、5時だ。だから、まだねてろ、」
「、だいき、」
「ん?」


中学に知り合ってからだから、もうずいぶんと付き合いも長いはずだけれど、君はこんなにも朝に弱かったのだろうか?お酒を飲んだ所為もあるかもしれない。今の会話だけ聞くと、何だか青峰君の方がしっかりしたように聞こえてしまうなあ、なんて、そんな事を考えていると、


「 たんじょうび、おめでとう。」


ひどく優しい、嬉しそうなその声が僕の耳にも響いてきて。あまりに唐突に、脈絡なく放たれたその言葉。僕はといえば、彼の言葉を理解するのに少し時間が掛かってしまったのだけれど、君の側でその声を聞いていた青峰君は、


「・・・へいへい。」


「わざわざどうも。」ずいぶんと照れ隠しの間が入ったり、言葉だったりではあったけれど、それでも何の躊躇いもなく君に紡がれた、彼らしいその言葉。もう少し言い様があったのでは、なんて思ったりもするけれど、彼の声音が普段よりもずいぶんと優しいそれに聞こえてしまったから、(ふふ、君に弱いですよね、ほんと。)


「らいねんも、こうしてみんなと祝えるといいな、」
「・・・飲んでさわいで、やかましいことこの上ないのを、か?」
「ふふ、にぎやかで、たのしいじゃないか、」


「そういうだいきも、たのしそうだったぞ?」・・・2人の会話をもっと聞きたかった気もするけれど、どうやら二度目の睡魔が目の前にまで来ていたらしい。いつの間にか開いていた瞼は下りていて、側で聞こえてきていた2人の声が遠くなってきて、

それでも、青峰君の返事だけは僕の耳にも、


「・・・別に、来年じゃなくても、の誕生日に来させれば良いだろ。」


「こいつら、ぜってえ来るって言うぞ。」なんて、そんな彼の言葉に、そんなの、当たり前じゃないですか、と僕は心の中で言葉を返しながら、ゆるりと意識を手放したのだ。
Adagio
青峰君の腕枕の中で嬉しそうに笑みを零す君と「ほら、まだ早えから大人しく寝ろ、」なんてそんな君の頭をゆるりと撫でながら言葉を放った青峰君を見聞きしたのは夢の中か、それとも、



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title by edona / Adagio(アダージョ / ゆるやかに)(music)