悪戯仕掛け人の彼らは悪戯の計画を書いているのを気付かれないように、いつも後ろの方の席に座っているのだが、今日も何も変わることなく後ろの席に座り、計画を練っていた。因みにリーマスとジェームズが後ろで前にシリウスがいる。ピーターは勉強についていけなくなっちゃうと言って前の席に座っていた。


「なあ、ジェームズ。」
「ん?ああ、それはこうすれば良いんじゃない?」
「おお!その手があったか。」


紙に書いては後ろを向いてどれが一番確実に仕掛けられるかを検討していく。休憩時間と授業時間は彼らにとってそんな時間だった。そんなことをしていると、先生がそろそろ来るだろう時間に後ろから生徒が1人入ってくる。


「あ、。遅かったね。」
「リーマス。ええ、ちょっと忘れ物してたから。」


リーマスが声を掛けたのは。彼女は悪戯仕掛け人の友人であり、またシリウスの想い人でもあった。「また悪戯の計画?見つからないようにしないと。」 なんて注意しながらも楽しそうに微笑むも、また悪戯を考案してくれる彼らにとって素晴らしい友人だった。シリウスにとっては、友人だけでは済みたくないのだが。しかし、彼の想いが通じた事は今までで一度もない。


「シリウス、隣の座っても良い?」
「え、あ、ああ!良いぜ!」


吃るシリウスにありがとう、と特に怪しむこともなく彼の隣に座る。それを見ている友人の2人はシリウスを見ながらため息をついていた。今の彼を見ると、これぐらいで緊張してたらデートする時なんか話せなくなるんじゃない? なんて冗談交じりに話していたが、どうもそれは冗談では済まなくなりそうな感じである。



「では、授業を始めます。」


彼らがそんなことをやっている間に先生も来ていて、授業がすぐに始まる。予習しているジェームズ達にとってはただの復習なので、(そしてシリウスは隣にが座っている、ということで)ぼーっと頬杖をついて先生の話を聞いていた。生徒は聞き逃すまいと一生懸命に羽ペンを動かしている。


そんな授業も中盤になる頃、突然シリウスの肩に重さがかかった。が何か聞きたい事でもあるのだろうかとシリウスは胸を高鳴らせる。聞こえやしないかと心配な鼓動を抑えながら勢いのままにシリウスはの方に顔を向けた。「   、どうかし、」


「(え、えぇぇええっ!?)」
「(わーお、ってば大胆だね!)」


シリウスが隣を見ればその方にはいなくて、彼女はシリウスのもっと近く、彼の肩に顔を寄せて静かに眠っていたのである。一番驚いたのはシリウスであって、そして一番顔を赤くしたのも無論、シリウスである訳で。


「(が、お、俺の肩にっ!!!)」


何とか大声を発しなかったのはが寝ているから、という理由からで、しかしこのままというのも自分の心臓が何個あっても足りないと思ったシリウスはとりあえず、これを脱しようとを小声で起こそうと試みる・・・・が、その効果は見られず、変わらずはシリウスの肩にもたれ掛かって眠ったまま。彼はというと、背筋を伸ばして顔を真っ赤にしたまま、俯いていた。すでに彼には授業の事なんて眼中になかった。(というより、それどころではなかった。)


「(どうすんだ、これ!?)」


頭の中で相当なパニックを起こしながらも、肩を揺らさないのはさすがと言ったところか。自分の心臓を考えるとこのままというわけにもいかないが、昨日レポートを遅くまでしていたと知っているから、彼女をこのまま眠らせてあげたいとも思う。冷静に動いているか、なんてこの際置いといて、彼はどうするかを必死に脳を回転させていた。「(って、)」


「(可愛いよな、やっぱり。)」


しかし何だかんだで焦っても、隣で眠る彼女を見ているとそんなことしか思えなくなるわけで。一瞬我に返って、いや俺は何変態のようなことをっ、なんて急いで理性のそれを引っ張って狭間に戻ってきたりとしているが、結局のところ本能には勝てないのか、彼女の寝顔を見ては嬉しそうに目を細めて微笑んでいた。


「見てよ、リーマス。シリウスのあれ。」
「うん、見てるこっちがおかしいよ。」


友人がこんな話をしているのが聞こえているのかそうでないのか、何をするでもなく驚きで落としたペンをそのままにして、幸せそうにを眺めるシリウス・・・を見ていたのが、自分の友人達だけであったことは彼にとって、不幸中の、

その一歩を踏み出せ!

「ねえ、シリウスってやっぱり、」   「うん、へたれだね。」