「んー?何だルフィ?」
「シャンクス、今日でまたおっさんになるのかっ!?」
「(ぶっ) な、だ、誰がおっさんだ!!」
今日もマキノさんのお店で酒を、ルフィにはもちろんジュースを渡して、みんなで楽しくまるで宴会のように騒いでいた中、他のみんなも、もちろん忘れたわけではないんだろうけれど、「んなもん、今更こっ恥ずかしいだろ?」なんて口にする人もいたように、今日という日に、みんなは船長にその言葉を一言も放っていなくて。でもやっぱり、俺は船長にその言葉を紡ぎたかったから、まるで自分の事のように、頬を緩ませながら俺の膝に乗っているルフィへと今日という日のイベントを伝えたのは、良いのだけれど、
「ル、ルフィ、もう少し言い方を・・・」
にこにこと、まったく悪気はないようなその笑みを浮かべながら、シャンクス船長へと近づいてきて放たれた、そんなルフィの声。船長へと駆け寄ったルフィのその言葉を弁明するように、思わず俺は慌ててルフィへと近づいて声をかけながら、目の前で口元を酒で汚してしまった船長へと「船長の誕生日だと、一緒にお祝いでもしないかと言ったんですよ?」なんてルフィの代わりに言葉を続けた。
「っ、俺のためにそんな事をっ!!」
「えェ?だって、おっさんじゃねェか!シャンクス、おっさんおめでとうだな!!」
「うるせェルフィ!だから、おっさんじゃねェって言ってるだろ!まだなりかけだ!な・り・か・け!!」
「(・・・船長、若干認めてるんですか、)」
俺の言葉に嬉しそうに笑みを浮かべてくれたり、ルフィの言葉にくわっと怒鳴るように眉間にしわを寄せたりと、忙しなく変えながら言葉を放つ船長に、思わず苦笑を漏らしてしまいながら、「 シャンクス船長、」 なんてその名前を呼んで、視線をかち合わせて、
「 誕生日、おめでとうございます。」
「 ああ、ありがとう、。」
ふわりと、その顔を緩ませて、笑顔にしてくれて、俺へとその言葉を放ってくれる船長。そんな顔に、彼の誕生日なのに何故か俺がプレゼントをもらっているような気がしてならなくて、くしゃりと俺の頭を撫でてくれる船長に、「・・・あの、プレゼントは、何を渡せば船長が喜んでくれるか分からなくて、準備できなかったんですけれど、 」 と、声が小さくなりながら、ぽつぽつと船長にそう伝えれば、
「 わっ、」
「ああーっ!!!」
「この年でプレゼントっていうのも、あれだが、」
「せっかく俺の愛しいがくれるって言ってんだ、 そうだな、」 何やら大きな声で叫んだルフィの声のすぐ後に、手を引っ張られて船長の腕の中へと入り込んでしまった俺の耳元で、囁くようにして、優しい、俺の大好きなその声で、くるりくるりと俺の髪を指に絡ませていた船長が、
「何かもらえるってんなら、俺は・・・」
「おれは、たんじょーびに、が欲しいぞ!!」
「そうだな、俺もが欲しい・・・・・・って、誰がお前みたいなガキにやるかーっ!!!は俺のもんだっ!!」
「なんだよっ、シャンクスには聞いてないだろーっ!!」
「なァ、!おれのたんじょーびになったら、をくれるかっ!?」 船長の腕の中で、俺は先ほど船長からの言葉を待っていたはずなのに、どすん、と俺の足に来た衝撃と一緒に聞こえてきたのは、愛らしいルフィのそんな声で。そうすれば、またいつものようにルフィとシャンクス船長の言い合いが始まってしまって。 けれど、こんな賑やかな誕生日も、あっても良いかなんて思ってしまうから、
「 ふふ。ルフィ、シャンクス船長?」
「ん?なんだ、??」
「ん?どうした、?」
「 2人とも、大好きです。」