「 そうか、ルフィがやっと。」
手配書に映るその笑みにつられて、思わず自分の顔の緩みも抑えきれないままに眺めていれば、後ろからの気配を感じ取ると同時に、見つめていたその手配書を後ろから来たその人にとられてしまって。その人、なんて言い方をしているけれど、誰か分からなかったとかそういう理由でそんな言い方をしたのではなくて。俺の後ろに立っているのは、手配書に映っているその麦わら帽子をルフィに託した、
「シャンクス船長、今俺がそれを見ていたんですが、」
後ろから手を伸ばして来た船長にそう言葉を漏らしながら後ろを振り返れば、「まァ良いじゃねェか。」 なんてけらけらと声を上げてルフィの笑みとはまた違った、けれどどこか似たその笑みを浮かべて嬉しそうにその手配書を見るものだから、船長のその笑みにも俺は頬の緩みを抑えきれずに船長を眺めて、
「約束、覚えていましたね、ルフィは。」
「なっ!!いくらルフィと言えど、は絶対にやらないからな!俺のだ!」
「・・・何の約束の話をしているんですか。」
笑みを浮かべて、船長が彼に預けた麦わら帽子のその約束の事を俺は口にしたというのに、目の前で何故だかルフィと張り合うようなそんな声を上げてきて。なぜ麦わら帽子の話をして俺の名前が出てくるのだろうか、そんな事を思いながら「ルフィよりも俺の方がをだなっ!」なんて何やら必死にあれやこれやと言葉を出しながら俺を抱きしめて離さない船長の胸元で「お、落ち着いてくださいよ、」 と呼吸が苦しくなりながらも船長にそんな言葉を返せば、
「っ、はルフィの嫁に行こうっていうのか!?」
「い、行きませんって、(・・・というか何だ嫁って)」
今にも泣きそうなその顔で、俺の肩をがしっと掴んでがくがくと身体を揺らしてくる船長は続けざまにまたおかしな事を大きな声で放ってきた。船長から出てくる言葉の端々に突っ込みたかったのだけれど、船長のその顔が、その言葉が、あまりにも一生懸命なそれらであったから、いい大人が何をしているんですか、なんて思う前に、俺は再度自分の顔に笑みを浮かべてしまう訳で、
「(・・・愛されてるなあ、)」
思い違いとかそんなのではなく、中から溢れ出てくるように出て来たその言葉。当事者がそんな事を言ったって真実味はないけれど、それでも思ってしまったのはきっと船長が俺に云々という前に、俺が、船長に
「っ、聞いてるかっ?」
「ふふ、 愛してます、船長。」
「っ!!」
肩を掴んでいた船長の、その胸元へとゆるりと入り込んでいったのだ。