「おれがをもらうんだ!!」
「子どものお前にをやれるか!というかは誰にもやらんっ!」
「・・・(俺にどうしろと、)」



目の前で繰り広げられているその言い合い、けれどそれを止める術を俺は持っていなくて・・・というか、この2人は本人を目の前にして、本人の意志を聞かずに何を言い合っているのだろうか。

そして助けを求めるように周りのみんなに目を向けるのだけれど、非情なことに合わせてくれる人は誰もいなくて、唯一副船長が目を合わせてくれたのだけれど、肩をすくめられる始末で(つまり、自分で何とかしろと。)(・・・自分も何も、これを作った原因はそもそも俺にはない気が)



「へんっ!おれの方がシャンクスなんかよりものことずーっと大好きなんだぞっ!!」
「はんっ!俺の方がルフィよりもずっとを愛してるんだっ!!」
「・・・(何で同レベル、)」



マキノさんのお店で、一体いつまでやるんだろうか。ため息しか出てこないその光景に、先程は目も合わせてくれなかった仲間は「うははっ!ルフィ良いぞ!」やら「いやお頭だろう!」やらと、煽り立てるようなその言葉を放ちながら楽しそうに傍観している。酒が入っている所為か・・・いやそれはいつものことだけれど。・・・いつものように全く止める気のないこの人達にもため息を吐きながら、自分のコップを取って喉を潤していれば、突然前から勢いよくどすっと身体に衝撃が来て、思わず飲んでいたそれを吹き出しそうになって、



「っ、  ルフィ・・・君は、」
はおれのこと大好きか!?」
「う、 あ、ああ、大好きだよ。」
「なっ!!」
「にしし!おれものこと大好きだぞ!」



ルフィのそのいきなりのタックルのような抱きつきを受け止めて、気管に飲み物が入り込みそうになりながらもキラキラと輝くその瞳を見れば、どうにも答えないといけないような気分になるから、その言葉に何とか笑みを浮かべながら返事をして。そうすれば、俺に抱きついているその可愛らしい少年は何とも愛らしい笑みを浮かべて嬉しい言葉を紡ぎ出してくれるものだから、(ああもう、)



「ふふ、ルフィ。」
「しし、!!」(ぎゅうっ)
「っ!!!」



俺の背中へと小さいその腕を伸ばしてその可愛いらしい笑みを浮かべたままでぎゅうっと抱きついてきてくれるルフィに、思わず顔を緩ませてそんな少年を抱きしめ返していれば、「っ!!!」なんて妙に張った声と共に今度は後ろからルフィの時よりも大きな衝撃が襲ってきた。



「っ、  ・・・シャンクス船長、」
は俺の事、愛してるよなっ!?」
「あー、はい、愛していますよー。」(棒読み)
「っ、っ!!」(ぎゅうっ)
「せ、船長、(・・・苦しい、)」



後ろからルフィごと俺を抱きしめてくる船長のその言葉に、出す音を変えずに流すようにそう言えば、それでも船長は感動したように抱きしめてくるその腕を強くしてきたから、俺はルフィを押しつぶさないように必死になりながら、船長のきつすぎるその抱擁を何とか受け止めて。そんな俺の苦労を、俺を取り合っているらしいはずの2人は全く分かっていない様子で、読んで字の如く、俺を挟んで再度言い合いを始めてしまって、



「おいシャンクス!からはなれろ!」
「お前が離れろルフィ!俺の方がに愛されてるんだからな!」
「なにいってんだ!はおれのことが大好きなんだから、おれと大好きどうしなんだぞ!」



2人ともまた最初に戻るようにそんな事を言って、さらに抱きついてくる力を(主に後ろから)強くしてくるのを感じて、骨の軋む音を聞きながら、それでも言い合いには耳を傾けていれば、後ろから抱きしめてくる大の大人であるはずの彼の方が、子ども相手にとんでもない事を、



「ははんっ!俺の方が愛し愛され同士なんだぞー!何せ俺とは大好きを心身共に一線をこえ、ぶっ!!
「・・・子ども相手に何言おうとしてんだ、あんたは。」
「  副船長、(ああ、ようやく、)」



そんなとんでもない事を言い終わる前に、鳩尾に肘を入れ込もうとしたら、それよりも早く対処してくれた人、船長よりも頼りになる副船長その人が俺の後ろで船長に鉄槌を下してくれていて。「・・・こっちは任せろ、。」 頭を撫でられながらそう言って笑みを浮かべる副船長、の肩に担がれて、「う、っ、」と何とも情けない声を出して連れて行かれる我らが船長を、俺はルフィを抱きしめ直しながら冷めた目でそれを見送った。

愛らしい少年と、大人げない大人の果てしない闘争

シャンクスのやつ、何を言おうとしたんだ?   ・・・ルフィ、   ん?何だ??   海賊になるのは良いけれど、・・・船長みたいになっちゃ駄目だぞ?   ??おォ!分かった!!が言うならそうするっ!