「・・・何してんですか、あの2人。」
しゃがんでまるで拗ねたような格好をしているエース隊長とその背後で「・・・あの、エース隊長?」 なんて申し訳なさそうに声を出して困った顔をして立ちすくんでいる、のまた後方でそんな2人を見ているマルコ隊長とジョズ隊長にそう声をかけた俺。何となく、想像はつくが、一応そのある意味いつも通りな光景を見守っていた2人の隊長に訊ねてみれば、俺に気付いた隊長達はこちらを見る事もせずに俺に対してではないため息を吐きながら返答をしてくれた。
「 がまた怪我をして帰って来たんだよい。」
「・・・それで、がまた黙っていてエース隊長があんなになったと。」
「一言一句、訂正する場所はねェよい。」
「・・・ほんと、2人とも何やってんだ。」
思わず出てしまった2度目のその言葉に全くだと言わんばかりにマルコ隊長をジョズ隊長もゆっくりと首を縦に振ってきた。普段はそうでもないのにけどやっぱりどこか少し抜けているは今のように街へと繰り出した後、しばしば怪我をして帰ってくる事がある。街で襲撃されて怪我をするほど弱い奴じゃないはずなのに、だ。まあ、は何もねェ所で転んだりと予想外の事をしでかす所為なのだけれど。今日もきっとそれで怪我をしたのだろう、その上、は迷惑になると思っているのか、その怪我の事を言わないで1人で治療をしようとするから、それがまたエース隊長を拗ねさせている原因の1つになっているのだろう。
「( まあ、の性格だから仕方がないのもあるけどなあ、)」
いい加減、どちらも互いの事をこっちが見て分かるくらいに知り過ぎているんだから、歩み寄るというか、妥協するというか・・・いや、互いの事を想いすぎて今の状態になってるのか(・・・どうにもできないのだろうか) まあ俺が悩んだってどうにかなる問題じゃない、というか当事者達がそれで良いなら別に構わないけど、なんて自分の事じゃなくて前方の2人の事を考えていれば、眺めていたその2人の内の立ちすくんでいる方、が俺達に気付いたらしくこちらを見てえらく助けて欲しそうな顔をしていた。けれど俺の目の前にいる隊長方は肩をすくめてどうしようもないという素振りを見せる始末で、の目は自然に俺へと向けられるわけだが、
まさかがエース隊長の元を離れてこっちへ来るとも思わなかったので、俺は両手をガバッと目の前にいたマルコ隊長を後ろから抱きしめるようにして、
「(そんで、エース隊長に謝ってみろ!!)」
「!!!」
俺のジェスチャー(というか実践?)と口パクの言葉が伝わったのか、はひどく驚いて顔を赤らめたけれど、何か決心したような顔つきへと徐々に変化して、恐る恐る、エース隊長へとその腕を伸ばしていって、それから聞こえてきたのは、
「っ!!っ、!??」
「あ、あの、エース、隊長、」
「な、何だよ、どうしたっ!!?」
の急なそれに、俺の予想通りに慌てるような素振りを見せるエース隊長。けれどは自分の事で精一杯なのだろう、そんなエース隊長の様子を気付かないままに、「あの、その、 ごめん、なさい。」なんて本当に申し訳なさそうにそう唇を震わせた。のそんな声に、埋められるその顔に、エース隊長が取る行動なんて、1つしかない訳で、
「 、」
「隊長?」
「 次からは、怪我したら俺に真っ先に言うんだぞ。」
「本当は怪我なんかして欲しくねェがな?」 そう言いながらの頭をわしゃわしゃと撫でるエース隊長のその顔が、もうエース隊長が怒っていないと分かってそれを大人しく受け入れるのその顔が、
「(・・・何度やるんだっつの、)」
仕方のない人らだなあ、なんて思いながら、その光景を、顔を緩ませてみる辺り、何度も手助けをしている辺り、結局俺も仕方のない人間なのだ。