「( 、)」
意識はやはり未だにはっきりとはしねェものの、それでも覚醒している時とはまた何か違ったの体温が・・・いや、の体温は寝ている時も起きてる時も一緒だが、何か、ああそうだ、の体温を感じている俺の意識の違いがそう思わせているんだろう、どちらにしろ、俺にとっては愛しくて仕方がないの体温が俺の身体へとじわり、じわりと流れ込んでくるように伝わってくる。
「 ん、」
その心地よさに、微睡みながらの寝顔を見ていれば、も俺の体温を感じてくれたのか、さらに求めるように俺の胸元へとその顔を寄せてきた。そのおかげで、俺はの寝顔が見えなくなっちまって、代わりに俺の視界に広がったのは、ふわりと俺の頬をくすぐるその柔らかいの髪で。
「( 柔らけェ、)」
起こさねェように、そっとその髪に指を絡ませながらの身体をさらに引き寄せる。触り心地の良いそれに、起きている時でもついやっちまっているようにゆるゆると撫でてしまう。そんな事をしていれば、「 たい、ちょう?」 なんての声が俺の耳へと響いてきたもんだから、思わず動かしていたその手を止める。
「 起こしちまった、か?」
起きちまっているかもしれないが、一応起きないようなそんな声でそう耳元から囁きながら、の顔をのぞき込もうとゆっくりとその身体を離そうとする、んだが、そんな俺の行動と反するように、は俺の腕の中へとさらに自分のその身をすり寄せてきた。しかもその上、「 エース、たいちょ、」 なんて舌足らずなそれで俺の名前を呼んでくれるものだから、俺の顔が分かり易いくれェに緩んでしまうのに時間なんて要らなかった。
「 ったく、気持ちよさそうに寝やがって、」
格好が格好だからが今どんな顔をして寝ているかなんて分からねェが、寄せてくるその身体から、伝わってくるその熱から、響いてくるその声から、大体想像できちまう。まァそれも本当かどうかなんて判断できねェが、少なくとも俺の名前を紡ぎ出したその声からは幸せそうなその声色を感じ取る事できる。そしてそんなの声に、俺はまたどうしようもねェくらいに愛おしさが溢れ出てきちまって。
「( まだ起きる時間じゃ、ねェもんな。) もう一眠りするか。」
「 おやすみ、」 そんな事を言いながら俺の髪へと伸びていたの指にそっと唇を落とした俺は、の背中へと腕を回して、その柔らかい髪へと顔を埋めて、感じる体温に微睡んでいくその目をゆるゆると閉じていったのだ。