「 ふふ、(本当に、気持ち良さそうに、)」
むにゃむにゃ、なんて言っても何ら違和感を持たなさそうなその顔に、思わず笑みが浮かんできて、愛おしさが溢れてきて、そのまま緩みを抑えきれずに表情を顔に出してしまう。いくら見ても見飽きないであろうそんな愛しいその顔をじっと見つめていれば、ふと、隊長の髪の毛へと視線が移って。
「(そういえば、 隊長の髪って、) 」
くるり、 今更ながらにゆるりと癖の付いている髪の毛だったんだっけ、と再確認するように、一房自分の指へとそっと絡ませる。朝起きた時はその癖と寝ている時の癖が加わって、ところどころからぴょんと普段とは別の方向に髪の毛が出ているのだけれど、今はそれほど寝癖は見つからない。いつ付いているんだろうか、なんてどうでも良い事を考えながら、指通りの良いその髪をくる、くる、と弄っていれば、「 、」 と自分の名前が部屋中に反響して俺の耳へと伝わってきたから、思わずその手を止めて、その声のする方へと視線を移して、
「 エース隊長、」
隊長の髪へと伸ばしていた腕をそのままに、ゆるりと瞼を開けている隊長のその瞳をのぞき込みながら、名前を呼んだ。「 起こして、しまいましたか?」 申し訳ない気持ちになりながら小さな声でそう囁くと、隊長はそれに対しての反応はしてくれず、代わりに返ってきた隊長の反応はと言うと、ゆっくりと俺の方へと腕を伸ばしてきてそのまま俺を自分の腕の中へと閉じこめてしまった、ゆるりとしたそんな抱擁であって。
「 ん、 、」
ゆるゆると伸ばしてきたその腕だったのだけれど、それでも俺を離す気は全くないようで、背中へと回された腕にはそれなりの力が込められていて。寝惚けながらもその喉を震わせて俺の名前を俺自身の耳元へと響かせる、そんな愛しい隊長に、俺はまた、その愛おしさを感じてしまう訳で。
「 (まだ、朝ではないですもんね。)」
「 おやすみなさい、エース隊長。」 もう既に再度目を閉じて眠ってしまっているエース隊長にそう言葉を紡ぎ出した俺は、髪へと絡ませた腕をそのままに、伝わってくるその温かな、心地よい体温をいっぱいに感じながらゆるりと瞼を下ろしていった。