「我慢、できねェ。」 なんて急にそんな事を言われて、言葉を返す暇もなく、口を塞がれる。俺の顔を挟んでいた手の片方がいつの間にか後頭部へと回っていて、くしゃりと俺の髪に絡まる指が、ひどく心地よくて。


「  ん、 エース、隊長、」
「・・・そんな顔、すんなよ。」


「加減、できなくなるだろ?」 そう呟いた隊長の顔には、何とも艶めかしい笑みが浮かべられていて。その笑みに触れたくて、思わず彼の頬へと腕を伸ばしてゆるりと指を這わせれば、隊長はそんな俺の手に自分の手を添えて、ゆっくりと下へと、口元へと、


「   、」
「 っ、」


喉を、唇を震わせて、彼の愛しいその声に乗せられた俺の名前。エース隊長の手に誘われるようにして彼の唇へと触れていた俺は、ピクリと手を震わせる他無くて。その反応はもちろん俺の指が触れていたエース隊長にも伝わっていて。彼のその笑みが、さらに深みを増したのを、唇へと視線をやっていた俺の目はしっかりとそれを捉えていた。


「  震えた、な?」
「・・・言わないでください。」


「  悪ィ、」 くつくつと喉の奥で笑いを押し止めながら、思ってもない言葉をそう吐き出す隊長。それから彼は掴んでいた俺の指の間に1本、また1本と、自分の指を入れていって、絡ませてきた。その手をベッドへと沈み込ませると、彼は再度、距離を縮めてくるものだから、体温が伝わる面積もそれに比例して大きくなっていく訳で、


「  たい、ちょう、」
「ん?  何だ、?」
「ふふ、  愛して、ます。」
「  なっ、」


深まってきたその口付けに、響いてくるその水音に、俺はまた体温が上がっていくのを感じたけれど、俺ばかりというのも何だかあれだったから、不意打ちとばかりに、一瞬離れたその間で彼にそう言葉を紡ぎ出した。そうすれば、先程とは逆に今度はエース隊長の方が、ビクリと身体を震わせて。触れ合っているそれらから彼の震えが俺に伝わってきて、俺の顔にはゆるゆると笑みが浮かんできた。
けれど、そんな事をしているのも束の間、少しばかり目を見開いていた隊長その顔には、先程浮かんでいたその色が再度濃くなり始めていた。もう少し見たかったのに、なんて思っていると、隊長の口が開いて、「・・・お前、」


「それ、  反則だろ?」


言いたい事を放った途端、先程とはまた違ったように降ってきた、噛み付くようなそれに、俺は漏れる声を抑えきれなくなって。「   愛してる、」 合間に紡がれたその言葉に、熱っぽいその声に、俺の脳内が。絡まっているその指に、触れ合っている所から感じるその熱に、俺の身体は。・・・絆されて、融かされて、


「我慢、できねェ。」


「なァ、 、」 それから、また、乱れる吐息と一緒に、先程と同じ言葉を彼は吐き出した隊長が、俺に同意を求めるように俺の名前を紡いだ。俺の答えなんてとっくに知っているくせに、なんて思いながらも、そうやって同意を求める隊長が愛おしくも感じてしまうのだから、俺は隊長のそれに、自ら笑みを零して了承の意を伝えてしまうのだった。










触れられたところが 熱い

けれど、その熱は、全身が彼に包まれているようで、心地よくて






title by Seventh Heaven / 触れられたところが 熱い