「マルコ、さん?」
「ん?どうかしたのかい?」
「いや、どうかしたかじゃなくて、ですね。」


ぼすっとベッドへといきなり沈められたかと思えば、視界に広がるのは天井を背景に映るマルコさんの顔であって。突然なその展開に当然の如く理解が及んでいない俺はマルコさんのその名前を呼ぶことしかできなくて。けれどその当の本人は俺のその動揺の色の見える瞳をのぞき込みながら、見るからにその顔に楽しそうな笑みを浮かべていて。


「フフ、ついていけれてねェのかい?」
「 ・・・当たり前ですよ。」


笑みをさらに深めてそんな事を言ってくるマルコさん。こういう時、つまり・・・まあ、うん、・・・そういう時なのだけれど。と、とにかくマルコさんはこういう時になるといつも見せてくれる優しさを少しだけ奥に追いやって、俺に対して意地悪な事をしてきて。

俺の顔に熱を集中させるような事を平気でさらっと言ってのけたり・・・いや、これは日常でもあることなのだけれど。それから俺が頷くと分かっていながら、その愛しい声で俺の耳元でわざと囁いてきたり・・・いや、これも日常でやられることが多いのだけれど、(・・・これじゃいつもマルコさんが意地悪みたいになってしまうぞ。)(いや、でもあながち間違っていないような、)(・・・そんな事言ったらまたからかわれてしまう。)


、」
「??はい、何ですか?」


目の前にある我らが白ひげ海賊団のマークを見つめながらそんな事を考えていれば、俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきて。そのマークから震わせたその喉元を通ってその瞳へと視線を移せば、その顔には優しいその色を見え隠れさせながらも、赤いその舌をのぞかせて、口の端を上げて、としっかりとその顔には艶めかしいそれが窺えて。その瞳から自分のそれを反らせないでいれば、マルコさんはそのまま俺へと近づいてきてそのまま俺の唇をその口から見える赤いそれでぺろりと器用に舐めてきて、「たまには、」


「衝動的に事に及んだって良いと思わねェかい?」


「なァ、?」 まるでノーと言わせないように隙間無く触れてくるその身体にずるさを感じてしまうのだけれど、俺がそれに首を横に振らないのだと分かっていながらもそう俺に了承を得ようとする辺りがマルコさんの一番ずるい所だと俺は思うわけであって。


「  マルコさん、(貴方って人は、本当に)」
「ん?何だよい?」


けれど、ずるいなんてそんな事を思いながらも先程言ったようにマルコさんのその言葉に首を横に振る事が出来ないでいる俺がいる訳で。結局、最後には「たまにはあるんじゃないですか、そんな日も。」そう言葉を彼に伝えて、それと同時に彼から降ってくる扇情的なそれらを、笑みを浮かべながら受け入れてしまうのであった。










夜を染め上げて

その偉大なマークが刻み込んである胸に、最終的には自分の身体を預けてしまうのだ






title by Seventh Heaven / 夜を染め上げて