何だか外に出るのも億劫だったので散策は明日からでも良いかと、今日は部屋で寝ている事に予定を決めた俺。「昼になったら起こすからなー。」なんて船番であるウソップの声に頷きながらベッドへと沈み込んだ。どうやらサンジも残っているらしく、今日の昼は自分で作らなくても良いらしい。睡眠時間が増えた事の嬉しさで笑みを浮かべながら、俺は夢の中へと旅立っていったはずだった。


「    ルフィ?」


しかしながらその睡眠は俺の上に重力が掛かってくることで妨げられてしまって。その重力の原因を確かめるために瞼を開けば、俺の上に馬乗りになっているルフィの姿が天井よりも先に視界に入ってきた。まさかその原因が冒険だと真っ先にこの島へと上陸していった彼であるとは思っていなかったので、ふぬけた声で彼の名を呼ぶ事しかできなかった。


、島に行かねェのか?」
「・・・ああ、今日は寝たかったからね。明日、散策するつもりだ。」
「そっか!じゃあ、俺も明日と一緒に冒険するぞ!」


「・・・珍しいね、冒険を後回しにするなんて。どうしたんだい?」 俺の返事を聞いた途端、短い言葉で反応して俺の上へと全身を寝そべるようにして自身の顔を俺の首元へと顔を埋めてくるルフィに、目の前にある柔らかいその髪に指を絡めながら彼にそう問えば返ってくるそれは、


「俺にも分かんねェけど、なんか今はにくっついていてェんだ。」


触れていない所なんてないんじゃないかと思うくらいにその身体を俺にくっつけてそんな事を言ってくるルフィに、先程感じていた眠気はどこへやら、代わりにこみ上げてきたのは彼に対する愛おしさであって。眠気よりも上昇が急速になっているのを感じながらこちらへと顔を上げているルフィのその額へと唇を落とせば、「   、」 と物欲しそうな瞳をして彼は俺の名前を口にする。何だい?そう言葉を続けようとしたのだけれど、それは彼の唇が俺のそれに噛み付いてくる事によって言わずじまいになってしまって。


「ん、」


酸素を求めようと重ねる唇の角度を変えればそれにつられて彼の角度も変わってしまい、期待に添う酸素量は得られなくて、息と共に喉が震えて思わず声が出してしまう。けれどその唇と離れようにも、上に乗っているのは彼だからその決定権すらも彼に委ねられている訳で。幾度と無く角度を変えられ、(彼のように言えば)食べ尽くされた後、彼は満足したような顔をするのかと思っていれば、再び視線がかち合った時の彼の瞳には未だに先程の色が残っている事に気付く。


「ルフィ、どうした?」
「   ・・・足りねェ、」
「うん?」
「唇だけじゃ、足りねェんだ。」


「    の全部が、食いてェ。」 額同士が触れ合うそんな近距離で彼から紡ぎ出された言葉は彼らしい、何とも直接的なそれであって。すでにベッドと俺の身体の間へと滑り込ませていたルフィの腕は離れないように腰へときつく回されていて。じわりじわりと、すべての感覚から彼の熱が伝わってくるのが意識しないでも感じられるのだけれど、それを煩わしいなどと思った事は一度たりとも無いわけで。


「   なあ、。」


決定権はすべて彼の中にあるというのにそれでも彼は俺の了承を得ようと、自身の中にある衝動を抑えきれないようなその声で俺の名前をしっかりと紡ぎ出してくれる。そんなルフィを目の前にして承諾をしないなんて、そんなこと、


「ふふ、   ルフィ、」
「  、」


間接的に言葉で言うよりも行動で表して直接的に言葉を口に出す方が彼には伝わるだろう。考えなくても自然と脳内からはじき出されたそれを実行するべく、俺は彼の首の後ろへと腕を回して自分の唇で彼のそれへと触れてその言葉を紡ぎ出した。










熱が混ざる

「食べても良いよ。」 そう俺が言葉にした瞬間、至極嬉しそうな笑みを浮かべて俺の唇を再度急襲してくるのだ。






title by Seventh Heaven / 熱が混ざる