見せしめのように大振りでその腕を下ろして、俺のこめかみに銃口を向けているのは・・・一体誰だろうか?ああ、確かここら辺を根城にする人攫い屋だとか何とか言っていたかも知れない。さて、とりあえず、ここからどう脱却しようか、なんて考えていれば、別の方からまた声が聞こえてきた。
「・・・無視するも何も、この状況で何を言う必要がある?」
「なんだ、この状況を理解できる程には、頭があるのか?」
この集団の頭らしいその人が俺へとそんな言葉を返した。というか他にどう理解しろと、なんて口に出したらさらに面倒事になるから心の中だけで呟いて、再度、思考をどう脱け出すかという事へと持って行く。戦った方が早いかも知れないけれど、そうすると自分の戦い方やら何やらと考えたときに、多少の怪我をしてしまう事も考えないといけない訳で。
「(・・・怒られる、よなあ、)」
未だに包帯が巻き付けられている腕へとそっと視線をやる。つい先日、1人で無理をするなと言われたばかりであるのに、それをすぐに破ってしまうのはみんなに申し訳ないし・・・何より、船長に心配をかけてしまうのが、
「(・・・さて、どうするか。)」
結局、なんとかこの場を戦わずして突破するかという最初の考えを採用する事にした俺は、「さて、どこに売るかな。」なんて言っている奴らを目の前に、再び思考を巡らせた。街に逃げるのが一番撒きやすい気もするけど、それだと周りに迷惑がかかってしまうし・・・なんて、考えていた、そんな時、
「っ、やっと見つけた! まったく、心配かけるなってあれほど・・・って、なっ!!」
「あ、シャンクス船長。・・・って、あ、(・・・やってしまった、)」
俺の耳へと響いてきたのは、いつも聞いている、優しい、愛しい、その人の声。俺の視界へと入ってきたのは、赤い髪色の・・・さらに言うと、驚いて目を大きく開いている、その人の顔で。船長の声に、姿に、つい顔を緩めてしまいながら、声を発した俺だったけれど、船長のそんな顔を見た瞬間、自分の頭に銃が突き付けられている事を、ようやく思い出して。
「ほォ?こいつぁ、驚いた。お前、赤髪の部下だったのか?」
「・・・それがどうかしたのか?」
「いや、なに、お前の肩書きに箔が付くなと思っただけだ。」
あからさまに動揺をして身体を固まらせてしまっている船長を余所に、にやにやと薄汚い笑みを浮かべながらそんな事を吐く集団の頭らしき人物。そいつの言葉を聞きながらも、視線はしっかりと船長達の方へと向けて、船長の隣で船長に対してか、それとも俺に対してか、深々と息を吐き出した副船長の姿も目に入ってくる。居たたまれない気持ちになりつつも、副船長が船長の肩を叩いて、俺にも合図を送ってくれるから、
「さて、そのまま俺たちについてきてもら、 うっ!!」
俺の耳元からではなく、少し離れた所から聞こえてきたその銃声を合図に、俺は身体をひねり、目の前にいたその輩へと足を蹴り出していった。・・・終わった後の事を、ひたすら考えながら(どうやって説明するか・・・)