自分の教室の次に多く利用させてもらっているであろう生徒会室で、何故だかそこにあるソファに押し倒されている俺。しかもその押し倒している人物はあろう事に教師という職業に就いている人であって。まあ俺にしたら、その人は教師である前に、近所に住んでいる前からよく遊んでもらっていたお兄さんであるのだけれど。(いや、今はもういい年こいたおっさんだが。)
「先生なんて、他人行儀な呼び方するなって。」
「・・・俺の話を聞いてくださいよ、シャンクスおじさん。」
「お、おじっ!!・・・・、」
ここは学校の敷地内であるから、俺がシャンクス先生と呼ぶのは至極当然のことなのだけれど、他の先生と生徒がいないこの場所でそんな呼ばれ方をされるのをこの人は非常に嫌がる。案の定、俺の呼び方に不満丸出しの顔でそう言った先生、に、俺も不満そうに言葉をそう紡げば、今度はひどく落ち込んだ様子を見せた・・・たまに、この人は本当に俺よりも年上なのだろうかと思う時があるが、そこは論点が外れてしまいそうなので取り上げるのはやめておこうと思う。
「何ですか、シャンクスさん。」
深く息を吐きながら、彼の名前を呼ぶ。副会長であるマルコも、他のみんなも出払っていて俺以外誰もいなかったそんな生徒会室に、珍しく顔を出したシャンクスさんは・・・いや、きっと彼は俺以外のみんなが出払っているのを知っていてここへと来たのだろう、それから、仕事がそんなに急を要する物ではないから、デスクではなくて、のんびりと紅茶を片手にソファに座ってパソコンへと向かっている事すらも、この人はきっと、
「何ですかなんて、そんな質問するのか?」
俺の言葉に、ひどく楽しそうな笑みを浮かべて俺にそう言葉を返してくるシャンクスさん。押し倒された時点で、この人が何を考えているのかだなんて分かり切っているのだけれど、「ええ、分からないので、質問をしましたけれど。」なんて、俺は敢えて知らない振りで通そうとする。
今は誰もいないにしたって、何時誰がここに来るのか分からない状態で、よく生徒にこんな事ができますね、貴方は、と本当は罵ってやりたいくらいだったのだけれど、そんな事を言ったって、この人がその手を止める事はないと承知済みであるし、罵った所で返ってくるのは満面の笑みである事が分かっているので、無言でシャンクスさんのその顔を、眉間に皺を寄せて見上げていれば、
「そんなあからさまに不満そうな顔しなくても良いじゃねェか。」
「・・・誰の所為ですか、だ、っ、」
浮かべた笑みをそのままに、俺の眉間を指で触れてその皺を伸ばしながらそう言葉を放ってくるシャンクスさん、に、俺が言葉を返そうとしたその瞬間に、彼の顔が、唇が、ひどく速く、近づいてきて、
「 、だ、から、自重という、こと、」
それはもう、彼の思うがままに思いきり咥内を堪能された後、俺は息も切れ切れに、何とか言葉を紡ぎ出そうとすれば、その震わせていた唇へとシャンクスさんの人差し指がすっと触れてきて、思わず口を閉じてしまった。俺のそんな仕草に、また嬉しそうに笑みを浮かべた彼は、そのまま再度、俺の顔へと自分の顔を近づけてきて、ひどく低く、(そして非常に悔しいが、)妖艶に聞こえるその声で、
「文句は後で聞いてやるから、今は大人しく奪われちまえ。」
「生徒会室ってのも、なかなか、そそられるモンがあるだろ?」 なんて俺に返事なんて求めていないくせに、そう語尾に疑問符を付けて言葉を放ったシャンクス先生は、案の定俺の答えを聞かずして、俺の唇へと、自分のそれを降らしてきたのだった
少しずつ侵食するように
(・・・流されてしまう俺も、俺だけれど)
title by Seventh Heaven / 少しずつ侵食するように