「ん、」
「っ、っ!!」


意識が浮上してきて閉じられた瞼をゆっくりと開けば、視界に広がったのは我らが船長の心配そうな顔であって。俺はまた何か彼にそんな顔をさせるような事をしてしまったのかと自分の行動を思い返してみようとしたそんな時肩に痛みが走って顔を歪めてしまった。


「っ、」
「ああもうまだ動かすなっ、傷口塞いだばかりなんだ。」


「また俺のいない所で無理をして、」 俺の肩に巻いてあった包帯の上から割れ物を扱うようなその手つきでそっと撫でながらそう不機嫌そうに言葉を漏らす船長。そんな彼の言葉でようやく俺は先程の事を思い出して、血を流しすぎて意識を失ってしまったのだと理解する。またやってしまったのか、なんて思っていれば、「今回は、何が原因だ?」なんてイスに腰を下ろしてこちらに視線を向けている船長が俺へとそう訊いてきた。


「・・・あいつらが、船長を襲うだ何だと話していたので。」
「  何も1人で行くことないだろう?」


「せめて俺に一言言ってからとかだなァ、」 頭を撫でられながら、そんな事を言われる。あそこに船長が通ったのは偶然で、あの時船長がいなかったら俺がどうなっていたかなんて分からないけれど、ふざけた輩達を倒すまでは多分ギリギリで維持出来たとしてもきっとその後、その場に倒れていたに違いないだろう。それに関しては寝てれば直る事だから対して問題はないのだけれど、船長に心配をかけてしまうというのが、一番の問題点な訳で。


「    心配するだろ?」
「・・・すみません。」


心配しすぎじゃないんだろうかという時もたまには見られるのだけれど、俺だって船長がそうなってしまったらやっぱり不安に駆られてしまうだろうからそんな事は言えなくて。起きあがれない身体でそのまま謝罪の言葉述べれば、船長は困ったような笑みを浮かべながらさらに続けたのだ。


「俺の為ってなら、もう少し自分の体を大事に扱え、な?」


「お前自身の体だろうが、お前だけの身体でもないんだ。」 なんて続けざまに紡ぎ出された一見矛盾しているような、理解しがたいような船長のその言葉。けれどそれは矛盾でも何でもなく、ただ本当にそのままの意味で受け取れば良くて、


「ふふ、善処します。」


それを知っている俺の顔に浮かぶのは笑み以外の何物でもなくて。眉をハの字に曲げんばかりの勢いで俺を見つめている、格好良くて、優しくて、偉大な、唯一無二であるその船長の瞳を見上げながら俺は顔を緩ませて曖昧ながらもそう答えたのだ。

やりすぎ注意

なっ、善処ってなんだ!俺はを心配してだな、   だから善処するんですよ?俺は目の前で船長を襲うだ何だと話しているのを見て見ぬふりするなんて器用な事できませんけれど。   それは、だなっ!!(嬉しいんだが、いやでもこれを許しちまうとっ。)



title by 赤小灰蝶 / やりすぎ注意