それから、あれだけ海に近い場所に町があるってのに、お前が海を見たことがないってのにも驚いたな。空と同じような色をしてると言えば、見たいからどこにあるのか教えて欲しいなんて言ってな。グラララ!そん時のお前の顔っつったら、目を太陽と同じくれェに輝かせてたぜ?お前は覚えてないか?あァ、それから俺が海に連れていってやると言ったのに、教えてくれるだけで良いと断ろうとした事もあったな。昔から、その性格はちっとも変わらねェな。
それで、断ろうとするお前を半ば無理矢理に俺の腕で抱え上げて海へと連れて行った訳だが・・・その時のこいつの顔は、今でも覚えてるぜ。大きな目をさらに大きく見開いて感嘆の声を上げたかと思ったら、その顔に笑みを浮かばせてな。年相応な顔もするじゃねェかと思ったもんだ。・・・それから、綺麗だと海を見て嬉しそうな顔をするお前に言葉をかければ、その顔を俺に向けながら俺の目と似てると言ったんだ。
「 気付けば、お前に息子になるかと訊いてたな。」
理由か?・・・そうだな、何となく、なんて軽い理由なんかじゃねェって事は覚えてるぜ?まあ、その話はまた今度にでも教えてやるさ・・・グラララ、ほら、拗ねるんじゃねェ。・・・ん?それのどこが拗ねてねェって言うんだ?その拗ね方も昔と大差ねェぞ?
グラララ!お前を見てると本当に飽きねェな。・・・あァ、そうだ。初めて会った話だけして、お前がどんなやつかって事を話してなかったな。そうだな、海が好きで、そそっかしい奴だ。・・・ほら、それだけじゃねェからちゃんと最後まで聞け。・・・お前は、昔から、人に頼る事をあんまりしねェで、けど人に頼まれると断れねェ奴で、そそっかしいのもあって、怪我が多い奴で、おまけに無茶っつう事をするのが好きらしい。どれだけ俺はそれで心配をしたか分からねェくらいだ。・・・グラララ!そう落ち込むな。そういう所を全部ひっくるめて、お前は、
「・・・どうしようもなく、愛しくて仕方のねェ、俺の息子だ。」