毎回読ませてもらっているその新聞に、ある日自分の写真が載っていて。まあ、俺の写真が載る事なんて1つしか思い浮かばない訳だけれど。新聞を見ていた仲間がそれを俺に渡してくれて、その写真の下に書いてあるその数字を確認すると、俺は仲間にお礼を言って、すぐさまその紙を持ってある人の元へと駆けだした。



「  親父、さんっ!!」
「 グラララ、相変わらず、お前ェは駆けてくるのが好きだな。」


「そんなに急がなくとも、俺は逃げねェぞ?」 なんて、親父さんは側へと駆け寄ってきた俺の頭をわしゃわしゃと撫でながらそんな言葉をかけてくれる。その言葉すらも俺の身体へと染み込んでいって、顔を緩ませずにはいられなくて、思わず笑みを零しながら 「で、そんなに急いでどうした?」 と俺に問いかけてくれる親父さんへと、自分の、以前よりも額の上がったその手配書を広げて親父さんへと言葉を返した。


「俺、また額が上がりました。」


親父さんの言葉で緩んでいた自分の頬をそのままに、その言葉を伝える。そうすれば、親父さんが俺の手配書を手にとって、まじまじとそれを見やった後、その顔に笑みを浮かべてくれて、


「グララララ!上々な額になったじゃねェか!!」
「ふふ、ありがとうございます。」


再度、頭へと手を伸ばして俺を褒めるように撫でてくれる親父さんのその手に心地よさを覚えながら、発せられたそんな言葉につい、緩んでいた頬をさらに緩ませてしまう。
親父さんが俺の事で嬉しそうな笑みを浮かべている事が嬉しくて、こうやって自分に懸けられる額が上がる度に、親父さんに見せて来ているのだけれど、親父さんの方が俺よりも早くこの事を知っているだろうに、けれどいつも、こうして俺が報告に来るのを待ってくれて。その事を思うだけで、いっそう笑みが零れるのを抑えきれないというのに、親父さんは、いつものように、さらに言葉を続けて、


「俺の息子だと知ってる奴は良いが、中にはそれを知ってて襲ってくるとんでもねェ野郎もいるからなァ、」


「街に出るときは気ィつけて行ってこい。まァ、かすり傷くらいは大目に見てやる。」 俺の力量を信頼していない訳じゃなくて、心配して言ってくれるそんな言葉を親父さんはいつも俺に与えてくれる。そして、その言葉が響いてくる度に、俺の中にある親父さんへのそれが、容量を超えて、溢れ出てしまうのを抑えきれなくなってしまって、(かすり傷、なんて言いながらいつもその傷を作ってしまっているその場所を、貴方がゆるりと撫でてくれる事すら、)


「  、」
「はい、」


俺の名前を紡いで、俺の背中をゆるりと押して自分の元へと引き寄せてくれる親父さん。それから俺の背中を撫でてくれるそれが、どんなに懸賞金が上がろうと何であろうと、貴方の息子であることに何ら変わりがないという事を、親父さん自身が示してくれているように思えてならなくて、(  本当に、貴方って人は、)(愛しくて、 堪らない、 )


「グラララ!愛しい息子のために、今日は宴を開くか!」


「めでてェ事だ、盛大にやらねェとな!」 そう言葉を放ってくれる親父さんに大きく頷きながら、俺は偉大で、愛しい親父さんの身体へと自分の身体を預けたのだった。

弾んで、溶けて、あふれかえる

懸賞金が上がる嬉しさよりも、貴方が嬉しそうにしてくれるその姿が、