「え、あ、ああ、その、 えっと、 ありがとう。」
「・・・」
「・・・(おーい、新人、頼むからから何も言わずに離れてくれないか。)」
いつも通りの宴の席、けれど、俺の隣から迸るオーラはいつもとは違う、ただならぬそれらが放たれていて。もうこれはすでに覇気なんじゃねェのかってくらいに、ひしひしと俺の身体に当たってくるそれらを必死に耐えながら、俺は視界の中にいる、酒を取りに行ったのすぐ隣で、とんでもない事を抜かしやがっている最近入ったばかりの新人へとテレパシーを必死に、そらもうえらい必死に送った。
「 へへ、さんっ、俺も嬉しいです!」
「 そう、か? 喜んで貰えて良かった。」
「(、でも良い!頼むから俺にどっちか気付いてくれっ!!)」
けれど、俺の必死のテレパシーも虚しく、べろんべろんに酔っている新人はおろか、も俺の視線に気付いてくれない。人に好きだ何だと言われ慣れていないの事だから、自分の反応が相手を期待させてしまっている事に少しも気付いてないんだろう。・・・そしてもちろん、俺の隣にいるその人が、そんな2人に視線を向けている事も、
「・・・あいつ、新人かい?」
「そ、そうみたい、ですね?」
隣からいきなり発せられたその声に、俺は情けないくらいにビクンと身体を震わせてしまいながら、何とか平静を保とうと素知らぬ声でマルコ隊長へと返事をする。周りの奴らには、マルコ隊長の身に纏っているそれらが変わった事なんて全く気付いちゃいないんだろうが、とこの人を何故だか側で見てきていた俺には、すぐに温度が低くなった事に気付いた。
「 新人、ねェ?」
「あ、あはは、(・・・逃げろ、今すぐ尻尾撒いて逃げろ新人!!)」
隊長の隣で、冷や汗をだらだらと流しながら、少しでも体温を上げようと俺は酒をかっ喰らいいつつ、新人に最後の警告をしようと再びテレパシーを送った。あまりに怖すぎて隣へ目を向ける事なんてできないが、今の隊長の口元は上がっているに違いない。(あ、いかん、想像しただけで寒気が、)(ああ、ついさっきまで、3人でにこやかに酒を飲んでたはずなのに・・・)
「 、」
「? マルコ、さん?」
そんなに大きな声ではなかったが、それでもしっかりとの耳にはマルコ隊長の声が届いたらしい。自分に擦り寄ってくる新人に戸惑いながらも笑みを浮かべていたは、漸く俺達の方へと視線を向けてくれた。、とあいつの名前を呼んだだけなのに、それからは隊長の意図をくみ取るように、新人に一言言って、俺達の方へと近づいてきて、
「すみません、遅くなってしま、 っ、」
「あ、さん、僕も一緒に飲んで、っ!!!?」
「(あーあ、)(・・・やってしまった、)」
酒瓶を3本持ってやっとこちらへ戻ってきた、を、マルコ隊長は最後までの言葉を聞く事もなく、自分の方へと引き寄せると、その口を自分のそれで塞いでしまって。しかも、隊長も質の悪い事に、後ろから嬉しそうな顔のまま、ふらふらと覚束ない足取りで来ていた新人君へと、見せつけるように、あからさまに、わざとらしくあらぬ音を立てながら、の唇を襲うもんだから、(もう、勘弁してやってくださいよ、隊長、)(ほら、も苦しそうですよ、)
禁止令
ま、マルコさんっ、きゅ、急になにをっ、 ん?あァ、すまねェよい。ちっと我慢できなくなっちまったんだよい。許してくれるか? う、・・・ゆ、許し、ます、けど、 ・・・(助かったのか、そうじゃないのか。)(いや、さっきの覇気に比べたら、こっちの方が断然良い・・・のか??)
title by 赤小灰蝶 / 禁止令