悪い夢を見たわけでもなく、何か大きな音が聞こえてきたというわけでもなく、ただ唐突に自分の瞼がゆるりと開いた。意識の浮上と同時に、隣から聞こえてきた声に、視線を動かして隣で寝ているを見やった。


「・・・(なんて格好で寝てんだよい。)」


寝相が悪いという訳ではなく、おそらく寒いんだろう、まるで動物が寒さを凌ぐ時のように身体を丸めながら寝息を立てている。そんなこいつの姿が視界に入ってきて、思わず深く息を吐いちまった。


「  、」


起こす気はなかったが、こいつの名前を囁く。自分の冷たい肌が俺のそれに触れる事を避けるようにしてんだか、単にそれが癖なのか。・・・まあどっちにしたって、こいつが俺に触れない、という根本は変わらねェんだから、俺にはどちらにしても苦笑を漏らすことしかできねェんだが。


「  ん、」


俺の声に反応して、は再度頷くような声を出した。それからまた、自分の肌同士を摺り合わせて、冷たい空気の当たる面積を小さくしようとしていた。さながら小動物だな、のその姿を眺めながら、ああでも小動物みてェにそう簡単に喰われるヤツじゃねェし・・・あァ、別の意味でなら俺に喰われているが、なんてくだらない事を考えながら、ベッドの端で縮こまっているの背中に手を伸ばして、


「っ、( ったく、どれだけ我慢してんだよい。)」


予想以上に冷たくなっていたの身体に、多少ビクリと身体を震わせながらもしっかりとの身体を自分の方へと抱き込んだ。それでもは目を覚まさなかったが、胸元に押しつけた顔をのぞき込んでみれば、さっきよりも顔が緩んでいるのがはっきりと見て取れたもんだから、(・・・無意識ってヤツはこれだから、)


「( こうするのが、一番早く温まる方法だって事くらい、)」


それから本能か何なのか、先程とはうってかわって温もりを求めるように俺へと擦り寄ってきたを愛しいと思っちまったが最後、ゆるりとの頭へと手を置いて、こいつの額へと、

込もる熱に揺らされて

さ、このままもう一眠りするよい、  なァ、