次の島は街だからと、親父さんにおつかいを頼まれた俺。少し長いメモ用紙を見てぶつぶつと何を買わなくてはいけないのかを確認する。けれど、そればかりに集中していたせいか前から人が来ている事に気付かなくて。


「わっ、  ごめん、なさい。」
「・・・何してんだい、?」
「あ、マルコさん。」


どんっと結構な程の勢いでぶつかってしまい見上げながら謝れば、そこにいたのはマルコさんだったらしく。「ったく、気を付けろよい。怪我はねェか?」 なんて注意をしながらも心配してくれるマルコさんについ嬉しくなって笑みを浮かべながら返事と共に首を縦に振れば、マルコさんも笑みを浮かべて頭を撫でてくれた。(ふふ、)


「で、前を見ないで何を見てたんだい?」
「親父さんに次の島でおつかいを頼まれたので、そのメモを見てました。」
「へェ・・・オヤジはアイスなんか食わねェと思ってたが、」
「あ、それは俺のためって言ってました。」


「甘い物が好きな事を親父さんも知ってるから、たぶんそれでメモに書き加えてくれたんだと思います。」 メモをのぞき込むマルコさんにそう伝えて、メモにある親父さんとは縁遠いそのアイスの文字を見つめる。あそこのアイスは美味ェらしいぞ?せっかくだ、食べてこい。 なんて頭をぽんぽんと軽く叩かれながらそう言ってくれた親父さん。先程のやりとりを思い出すと、親父さんのその優しさが俺の中でまたこみ上げてきて、顔が緩むのを抑えきれなくなってしまって。


「(・・・こいつ、)俺もついていくよい。その量じゃ、1人で持てねェだろい?」
「え、でも、それじゃマルコさんの用事が・・・」
「俺は特にすることなんてねェよい。  それに、」
「??」


「愛しい奴と一緒にいたいなんて思うのは、当然の事だと思うが?」 少し顔を近づけてきて何を言うんだろうと思っていれば、耳元で囁かれた言葉は何ともまた恥ずかしいそれであって。言葉を返そうとするけれど、一気に顔へと熱が集中するのを嫌にでも感じてしまったから、それよりも先にそっちの方を隠そうと目の前にあるその肩へと顔を埋めることしかできなくて。俺がそんな事をしている間、そんな事をさらりと言ってのけてくれた当の本人は俺の背中に腕を回しながらも楽しそうに笑い声を上げていた。


「・・・笑わないでくださいよ。」
「悪かったよい、まさかここまで可愛いことをされると思ってなかったんでな。」
「か、可愛いって、何です、かっ!!」


可愛いなんて言葉をマルコさんはまた言葉をそう俺に放ってくるから、反論をしようと思わず顔を上げてしまえば、「そうやって俺の一言一言で、顔を紅くするところとかだよい。」 なんてまたそんな事を言われて、マルコさんのその口で俺の言葉も一緒に閉じこめられてしまう訳で。そんなマルコさんのそれに、俺は再度顔を赤らめてしまって、また彼の肩へと顔を埋めることしか出来なくなるのである。

誤魔化しのきかぬ展開に

全く、お前ェって奴は本当に愛しい奴だよい。   なっ、またそんな事を言う・・・    本当の事を言ってるだけだよい。、    ま、マルコさん?      (じたばた)おーい!、次の島に行ったら一緒にどっか行かね、ってマルコ!!    ・・・エース、(またお前ェは)    あ、エース隊長。えっと、気持ちは嬉しいんですが、俺、マルコさんと一緒に親父さんのおつかい行かないといけなくて・・・   っ!!?ま、マルコと一緒に、オヤジの買い物だァ!?    (またやっかいな奴にばれちまったよい・・・)



title by 赤小灰蝶 / 誤魔化しのきかぬ展開に