「 ん、」
昼を過ぎた頃だろうか、船番だった彼に起こされ、「キャプテンがあの店に来いって言ってたぞ。ほら、行ってこい。」 なんて言われたから、まだ半分寝たままの状態でそれを聞いた俺は何とか返事をして散歩ついでに船長を捜しに行く事にした。
「 、」
「おい、こいつ、ハートの海賊団の・・・」
俺は睡魔に襲われて船番の彼の言葉を頭に入れていながらも近くにあったベンチでどうやら寝てしまっていたようで。仮眠のつもりだったのだが、いつの間にか俺は賞金稼ぎに見つかってしまったらしい。そういえば手の甲にマークを彫っていることを今更ながらに思い出して、彼らが俺のことを海賊だと思った事に納得をする。しばらく彼らの会話を聞いていると、「おい、殺っちまおうぜ。」なんて物騒な声が聞こえたから俺は仕方なく上半身を起こした。
「殺るなら、ちゃんと起きている時にしてもらえるか?」
「っ!!」
「まあ、殺れるものならだが。」
「・・・お前、人が手を出さずにいればっ!!」
大柄な男が姿と同様に持っていた斧を大きく振りかざした。その直後に俺の座っていたベンチが崩壊する音が聞こえる。それから今度は身丈が幾分か小さい男がナイフを持ってこちらへと駆けてきたから、攻撃もせずにそれを避けることだけに呈していたら「お前、ふざけてんのか!」 なんて言いながら細身の男がロクにねらいを定めずにこちらへと銃をぶっ放してきた。(銃とはまた物騒な)
「っ!?(い、一発も当たらないだとっ?)」
「銃弾を無駄にするだけだと思うが。」
「う、うるせェ!!」
「(まったく、懲りないな・・・・ん?)」
忠告をしたはずなのにそれでもまだこちらへと撃ってくる彼にため息を吐きながらそれを避けていると、彼らの後ろに見慣れた姿を発見する。それは俺が今探していた人物、俺達の船長トラファルガー・ローの姿であって。俺が船長を見つけるよりもずっと早くにこちらに気付いていたのだろう、彼は側にある木に寄りかかって至極面白そうにこちらを傍観していた。
「おらっ、よそ見してっとマジに殺るぜっ!!」
「・・・そんなことで殺られるほど阿呆ではない。」
「うっ!!?」
とりあえず1人を気絶させた俺は相手がそれに気を取られているうちに、もう一度落ち着いて船長の姿を確認する。「遅かったじゃねェか、。」 なんて声は聞こえないけれど、そう言っているような気がして俺は顔を顰めた。
「(こうして来ただけでも有り難いと思ってください。俺はそのまま甲板で寝たかったのに。)」
「き、貴様っ、よくも俺達の相棒をっ!!」
「ふざけやがって!!」
そう言ってまた襲いかかってくる賞金稼ぎの攻撃をかわしながら、1発2発と急所を狙いながらカウンターを入れていく。どうやら1人は少々やり手の輩のようで、急所を狙ってくると思えば緩急をつけてそれを避けてくれた。面倒だな、なんて思いながら相手をしていると、こちらを見てくる視線を感じたから再度そちらへと目を向ける。何ですか、船長。そんな思いで彼の方を見ると、ベンチへと腰掛けて完全に傍観者の姿勢になっているのが嫌にでも分かった。(・・・まったく、)
「早くこっちへ来て俺の相手をしろ。 退屈だ。」
口の端を上げてそんな事を口にする船長を見て、俺はすぐさま戦闘態勢へと入る。早くしないと、船長が乱入してきたらたまったものじゃないからだ。(そんなことをしてまえば、当然騒動になるのが目に見えている。)
ヒーロー不在注意報
というか、本人は出るつもりが全くないらしい。(出てもらってもそれはそれで困るけれど。)
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