ついにやって来たシャボンディ諸島、船をコーティングするのに時間がいるからと言ってそれまでは自由行動となったドレーク海賊団。時間ができた俺達は各々したい事をすることになったのだけれど、俺はというと時間があろうが無かろうが、ドレーク船長の側にいることは変わらないわけで。


「船長、何処に行くんですか?」
「特に決めていないが、はどこか行きたい場所はあるか?」


当てもなく歩きながらそんな会話をする。遊園地で遊ぶというのも魅力的に思えたけれど、それより俺はその遊園地の中にあるアイスクリームが気になって仕方がなかった。先程通りすがりのお兄さんに聞いてみれば、何ともまあ何種類もの味があるらしく。それを聞いてしまった俺は、船長にため息を吐かれる覚悟でその遊園地の名前を口にするのだった。



「   幸せそうだな。」


もっと躊躇うかと思っていたのに、俺がシャボンディパークと名前を出せば一瞬驚きはしたものの、船長は笑みを浮かべながら「行くか、」なんて言って俺の手を掴んできてくれて。シャボンディパークに着き、散々悩んだ挙げ句俺が選んだのはバニラとチョコレートというまた定番なものを選んでしまった訳なのだけれど、それにしてもやはり甘い者というのは格別な訳で。


「船長、行ってくれてありがとうございます。」
「フフ、まさかそれのためだけに行くとは思っていなかったが。」


俺の食べているアイスクリームにちらりと視線をやりながら、そう言葉を返してくる船長。アイスクリームなんて子どもっぽかっただろうか、と思いもしたけれど、甘いものに年齢も性別も関係はないだろうという結論に至って俺はそのまま船長に頭を撫でられながらまたそれを一舐めする。(なんて美味しいんだ。)


「そういえば、船長のような億越えが結構集まっているらしいですね。」
「ああ、どこかで諍いをしていなければ良いが。」


ルーキーと呼ばれる億越えは、確か3億越えが2人に、2億越えが船長を加えて3人だったか、1億越えになると6人くらいいた気がする。やはり、血の気の多い人達もいるのだろうか、いや海賊に血の気の多いも少ないもないのだけれど。そんな事を思いながら、船長の隣を歩いていれば視線に入ってくるのは手配書で見た事のある、2人の姿。(噂をすれば・・・)


「・・・船長、何だか早速おっ始めていますけど。」
「・・・」


お互いが自らの武器を振るって今にもどちらか一方の首が飛びそうである。そんな彼らの戦闘を船長にそう言いながら眺めていれば、隣の船長からは深いため息が吐かれる。止めに行くつもりだろうか、そんな事を思いながら船長の方を見ていると指にどろっとしたものが伝ってくるのを感じた。


「わ、クリームが溶けて指に(も、もったいない、)」


コーンから指へと溶け出しているそれは、もう既に地面へと落ちようとしていて。せっかく船長に買って貰ったものを、と思いながらそれを舐め取ろうと口をそこへと近づければ、何故だかアイスは俺の意識とは逆の方向へ、つまり俺から離れていってしまう。その時、ようやくドレーク船長の手が俺の手首を掴んで自分の方向へと近づけたのだという事を理解する。


「  ドレーク、船長?」
「・・・フフ、まったくお前は、」
「っ!!」


べろり、 船長の理解しがたい行動に疑問符を浮かべていれば、視界に広がったのは俺の手に伝っているクリームを唇の間から出てくる真っ赤なそれが一舐めしているところであって。船長の突飛な行動に頭がついていかず、俺はクリームの溶けたコーンを持ったまま間抜け顔を晒すだけで、視線のみが億越えの2人のいる方へと行く船長を追っていた。(・・・・今、船長は、俺の、  俺の?)

それは一体何の合図ですか

2人を止める船長は遠目から見ても格好良かったけれど、



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