「・・・隊長、」
「何だ、?」
「暑いんですが、」
当たり前のようにそんな事を言えば、「ああ、俺も暑い。」なんて言葉と共に笑みが返ってきた。しかしながらその言葉とは矛盾して、さらに接近してくる隊長の顔。暑いなら離れてくださいよ、そんな言葉を口から出す前に、それごと隊長の口に飲み込まれてしまった。
「 暑いな、。」
「だから、そう言っているでしょう?水がありますけど、飲みますか?」
「飲ませてくれるのか?」
「・・・エース隊長、」
ベッドの横にあるテーブルに視線を移してそう言えば、両手を顔に添えて自分の方へと再度視線を戻させた隊長はそんな事を言ってくる。わざとらしく俺が彼の名前を呼べば「良いだろ、暑いんだから。」とまた訳の分からない理由付きで俺の耳を甘噛みしながらその声を響かせた。
「 暑いんだったら、他の熱でその暑さを忘れちまえば良いンじゃねェか?」
「 良い提案だと思うンだが、」なんて最初から分かり切っているくせに、狡い訊き方をしてくる隊長。触れ合っているその身体がお互いの体温を伝え合っているのを認識出来るかのように、その部分からはじわりじわりと熱が生み出されて。その熱は自分の体同士が触れ合っている時に発生しているそれと何ら変わりないはずだというのに、その熱にある種の心地よさを感じている俺がいる訳で。
「 、」
名前だけを呼んで、隊長は俺からの返答を促してくる。俺からの答えなんて関係がないだろうに、それでも俺の返事、もちろん承諾の意を持った返事を俺の口から出るのを待っている隊長は、首筋に自らの唇を落としたり、俺の唇の端に落としたりと待っているのかどうかも分からない行為を繰り返していた。それでも俺の名前を呼ぶ時には、視線を俺の瞳へと向けてくれて喉を震わせて言ってくれる彼に、俺が承諾の意の言葉以外に隊長へと返答するそれを持ち合わせている訳がなかった。
「 返事なんて、いるんですか?」
「の声で、聞きてェんだ。」
「だから、 な?」 なんて言ってくる隊長に、もう茹だる夏の暑さなんて既に意識の外へと放り投げ出されていて。じわりとこみ上げてくる心地よい彼の熱を感じながら、俺は彼の首の後ろへと自らの腕を伸ばしてその唇へと自らのそれを重ねたのであった。